放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
東海テレビ・フジテレビ系「オトナの土ドラ」枠で放送される俳優の小澤征悦さんの主演ドラマ「パパがも一度恋をした」(土曜午後11時40分)が、2月1日からスタートする。「オトナの土ドラ」シリーズ初となるコメディー。愛する妻・多恵子(本上まなみさん)を亡くしたショックで丸3年間引きこもり中の山下吾郎(小澤さん)と、吾郎を心配するあまり、おっさん姿になって生まれ変わってきた“おっさん多恵子”(塚地武雅さん)とのラブコメホームドラマ。吾郎を演じている小澤さんに、塚地さんの印象や今作への意気込みを聞いた。
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ドラマは、「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)で連載された阿部潤さんの同名マンガが原作。映像化されるのは今回が初。愛する妻が亡くなって以来、ショックで丸3年間引きこもり中の山下吾郎が主人公で、娘・トモですら手を焼くダメパパ・吾郎のもとに突如現れた不審な中年男。その正体は、吾郎を心配するあまり、けなげにもおっさん姿になって生まれ変わってきてくれた妻・多恵子だった……というストーリー。
今までの「オトナの土ドラ」にはないテイストで、原作や台本も拝見して、僕はとてもこの世界観が好きだと思いました。現場に入る前は期待と不安が入り交じりましたが、良い意味での高揚感みたいなものはあり、今、吾郎をやっていてとても楽しいです。
実際に動いてみると足りないところが見えてきて、それを現場で、どんどん肉付けしていっています。本当に現場での想像力と爆発力というのが求められる作品だと感じていますし、そういう意味ではカロリーとしては結構高いかもしれないです(笑い)。
原作も読ませていただきまして、先日、現場に先生がいらっしゃったときにどうしてこの作品が生まれたのかというお話をさせていただいたんです。すると先生がすごく恥ずかしそうに“実は自分が妻のことを愛しすぎていて……”と。大好きな妻がそのお父さん(義父)と入れ替わったら、自分はどういうリアクションをとるんだろうという想像がきっかけでこの作品が生まれたらしく、面白いなあと思いました。
とてもいいです。見てハッピーになる作品ですし、現場の雰囲気もチーム力が高まって団結力はあると思います。現場では自分にできることがあればという気持ちでいます。
トモ役の福本莉子さんにも「俺の言うことって9割以上冗談だから、真面目に聞かないでね」って公言しています。でも俺の見た目は話さずにいると“ちょっと怖い”と思われてしまいがちなので、それぐらいでちょうどいいかもしれません(笑い)。俺も楽しいし、周りも楽しいと思っていただけたら、それはいいことなのではないかなと思っています。
基本的にはとても真面目な男だなあと。ものすごく妻を愛していて、根が真面目だからこそ、愛する人を失って引きこもってしまう。引きこもっていた3年間にも自分にルーティンワークを課していますし、その真面目さが、また不器用さにもつながっているような気がします。
当たり前ですが、とても演技が上手でセンスがいいです。どんなアドリブをやっても返してきてくださるし、お互いに言葉では言わないですが、いい空気感が生まれてますし、安心してやれています。
今回、自分の中のテーマとして「真面目にバカをやること」を意識していて、塚地さんは笑いのプロですから僕は胸を借りるつもりでやらせてもらっています。
とても可愛いですよ(笑い)。吾郎が姿の変わった妻を愛することができるのか?ということが重要になる作品なので、そういった意味での非日常が日常に見えてくる瞬間というものを僕たちは作っていこうと思っています。
先日、塚地さんとのとあるシーンの撮影で2人して涙が止まらなくなってしまったことがあって。その時に塚地さんから「ほれないでくださいよ」とくぎを刺されたこともあります。もしかしたら僕自身、この役を通じて、ちょっとした魔法にかかっているのかもしれません(笑い)。ほかにも、塚地さんを抱きしめるシーンもあり、塚地さんは意外に筋肉質で、これは戦ったら勝てないな……と思いました(笑い)。
この作品は見てくださった方々一人一人のものだと思っているんです。おっさん多恵子が女性として見えてくる視聴者側の想像力を、うまくこちら側が引き出せたらいいなと思いながら演じさせていただいています。
ちゃんと成立するよう頑張らないとですね。相手にとって不足はないので胸を借りるつもりでやりたいと思います。お互いに体を張って汗をかいて今やっているので、そういう様を見てくださったら面白いのではないかと思っています。
僕は中身だと思っています、これはうそでも何でもなく。もちろん最初は見た目も込みで人は恋をしますが、同じ見た目でも人の好みは分かれるわけで、最終的に心が通い合えるのかということになるから、中身が大事だというのは分かりきっています。でも今回の場合は振り切っていて、相手がおっさん多恵子だから面白いんです。本当はとても深くて真面目なテーマではあります。
吾郎の“真面目さ”をキーワードに、堅さなどイメージを膨らませてやっているつもりです。だからこそ崩れると面白いですし、モノローグでも変なことを言ってますが、とても顔は真面目だったり、役者としてはどこまでも真摯(しんし)に真面目にやることが、結果コメディーにつながるのではと思います。
自分の人生に対して真面目にやっている男が端から見たら滑稽(こっけい)に見える。今回は山下吾郎という役を通じて、俺はピエロになれたら面白いのかなと思います。この作品はご家族や自分の近くにいる人がもしいなくなってしまったら……違う人になって戻ってきたら……どんな感じがするんだろう。そういうことを考えて見ていただけたらうれしいですね。
コメディーなので、土曜の夜にひと笑いしていただき、日曜に楽しいことをしようって前向きな気持ちになっていただけたらさらにうれしいです! 笑って泣けてまた笑える、そんな“パパ恋”を目指します。
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