松岡修造:「くいしん坊!万才」1000回出演も「通過点」 リポートは「ウィンブルドンの一戦一戦と同じ」

「くいしん坊!万才」に出演する松岡修造さん(C)共同テレビ
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「くいしん坊!万才」に出演する松岡修造さん(C)共同テレビ

 フジテレビの人気長寿番組「くいしん坊!万才」(関東ローカル、毎週日曜午前11時45分)のリポーターを務める松岡修造さんが、3月8日放送回で出演1000回を迎える。松岡さんは「正直なところ、回数を重ねたからといってうれしさはそれほど感じていません。1000回がゴールではないですから、達成感という気持ちはありません。まだ通過点にしか過ぎないです。すでに次の旅も始まっていますから」とコメントを寄せている。

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 1975年6月にスタートした「くいしん坊!万才」は“くいしん坊”のリポーターたちが食のみならず、その土地の人たちと触れ合いながら、日本各地のご当地グルメを伝えている。松岡さんは、プロテニスプレーヤーを退いた後、11代目“くいしん坊”として2000年1月から約20年にわたり、リポーターを務めている。1000回出演しているのは松岡さんのみ。2位は3代目“くいしん坊”を務めた声楽家の友竹正則さんで794回。

 「松岡さんにとって『くいしん坊!万才』とは?」という質問に、松岡さんは「訪れた土地の人たちとの出会い一つ一つに真剣勝負で向き合っています。その出会いは、僕にとってウィンブルドンの一戦一戦と同じ。『一球入魂』の気持ちを『一食入魂』として持ち続けているわけです。その土地の肉や野菜、魚などの食材、またそれを使った郷土料理とか、その土地の人々が『こうして食べるのが一番おいしいです』という思いで気持ちをぶつけてこられるので、その思いを受け止める僕もそのつもりで『食べること』に挑んでいる感じです。出演者の皆さんには地元の食材が日本一だという誇りと、おいしく食べてほしいという熱意がありますから、食べる方も負けないくらい熱い気持ちで食べています」と語っている。

 「思い出に残る一本」は2000年5月1日に放送された「ろくべえ」の回といい、「長崎県の島原半島で出会った『ろくべえ』という食べもの。農家の庭先に到着すると、材料や道具が並べられていて、いつでもスタートできる状況でしたが、率直な第一印象は“これが食べ物になるのか”と不安と期待が入り交じっていました。しかも道具が斬新。さつまいもの粉だという灰色の粉末にツクネイモのとろろを混ぜてつなぎにして丸め、それを“ろくべえおろし”という大根おろしのようなモノに押し付けて麺を作るという仕掛け。そこには遊び感覚もあって面白かった。さつまいもの粉で作った麺は一度蒸して固め、うどんのように汁で食べるというもの。初めてのことにわくわくしました。同時に、この料理は200年ほど前の飢饉(ききん)のときに食料に困窮したこの地の人々を救った料理だという背景も聞かされ、一食の奥深さを知りました」と振り返り、「まさに先人の知恵と食の想像力。味だけではない、“食”の成り立ちを知る。料理は見た目に芸術的でもあります。食の魅力を感じられる出会いが『くいしん坊!万才』なのです」と回答している。

 番組の前夷久志プロデューサーは「松岡さんが味わっているのは“人情味”。松岡さんは料理を味わっているばかりではなく、その土地の空気や人々の暮らしを肌で感じて、料理を作ってくださる出演者たちの食に傾ける情熱までを味わい、その思いを伝えようとしています。言うなれば五味プラス人間味・人情味を味わい伝えようとしていることです。そこに食リポとは違う、『くいしん坊!万才』らしさがあり、20年の間に1000回の放送をしてもなお新鮮な出会いと心地よいトークを見せてくれます。『いい味、いい旅、いい出会い』が番組のコンセプト。松岡さんが全力で表現するくいしん坊の旅、まだまだ出会ったことのない味を求めて全国を旅します」とコメントしている。

 出演1000回目を迎える3月8日放送回は横須賀市長井漁協で、その希少性から「幻の魚」とも呼ばれるベニアコウを使った料理を食す。

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