大ヒットSF映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー(BTTF)PART3」(ロバート・ゼメキス監督)が、日本テレビ系の「金曜ロードSHOW!」(金曜午後9時)で6月26日に放送される。これまで1985年から、1955年、2015年とさまざまな年代をタイムトラベルしてきたシリーズ。完結作となる本作の舞台は、1885年の西部開拓時代だ。シリーズを通して描かれてきた定番のものや、西部劇ならではのものなど、知っていると「BTTF3」がもっと楽しくなる小ネタやパロディーを紹介する。
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「BTTF」は1985年に1作目が公開され、世界でヒットを記録。その後、「PART2」(1989年)、「PART3」(1990年)も大ヒットとなった。高校生のマーティ(マイケル・J・フォックスさん)が、科学者のドク(クリストファー・ロイドさん)が作ったタイムマシンのデロリアンでタイムスリップするSF作品。1作目では1985年の30年前の過去、2作目では30年後の未来、3作目では100年前の西部開拓時代が舞台。
主人公マーティ役のフォックスさんは、「PART2」で“未来のマーティ”、“未来の息子役”、“未来の娘役”と1人4役を演じたが、「PART3」では“100年前の祖先役”も演じる。またマーティの母親役のリー・トンプソンさんは、「PART1」で“現在”と“ハイスクール時代”、「PART2」で“ビフの妻”を演じたが、「PART3」では“先祖役”でも登場する。マーティの宿敵ビフ・タネン役のトーマス・F・ウィルソンさんは、「PART1」で“父親の会社の上司”と“ハイスクール時代”、「PART2」で“30年後の老け役”、“歴史が変わってしまった1985年での大富豪役”も演じたが、「PART3」ではビフ・タネンの先祖であるビュフォード・タネンを演じている。
日本人としてニヤリとさせられるのは、1955年で壊れてしまったタイムマシン・デロリアンを発見したドクが「安物を使うからだ。見ろ、Made in Japanと書いてある」というシーンだ。マーティが「なに言ってんのドク。最高のものはみんな日本製だよ」と返すと、ドクは「信じられん……」とあっけにとられる。
1955年で戦後直後の日本が、高品質な工業製品を作れるはずがないというドクと、1985年の日本が工業製品で世界をリードしていることを知っているマーティの認識の違いがあらわになる場面だ。こうした時代の変化をコミカルに表す演出の数々がちりばめられているのが、「BTTF」の魅力の一つだろう。
また、1885年にタイムスリップしたマーティが、出会った人たちに名乗る偽名は「クリント・イーストウッド」。元ネタはご存じの通り、「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」「続・夕陽のガンマン」など、いくつもの西部劇に出演してきた名優クリント・イーストウッドさんだ。
1885年のマーティの服装は、「荒野の用心棒」でイーストウッドさんが着ていたようなポンチョ姿。タネンとの対決シーンでは、撃たれたと思われたマーティが、実は鋼鉄の防弾チョッキを着込んでおり、映画好きにはたまらないパロディーシーンだ。なお、「PART2」で大富豪となったビフが浴室のテレビで「荒野の用心棒」を見ていて、防弾ベストを着込んだイーストウッドさんを「頭のいいヤローだ! 最高だな」とバカ笑いしているシーンがあった。見事な伏線回収なので、ぜひ注目してもらいたい。
「BTTF」シリーズを通した“お約束ネタ”にも注目だ。「PART1」では、マーティをつかまえようと車で追いかけるハイスクール時代のビフが、最後は堆肥(たいひ)の山に突っ込んでしまい、マーティを取り逃がすというシーンがあった。「PART2」でも、車を運転するビフがマーティとスポーツ年鑑を奪い合うシーンで、最後は堆肥の中に突っ込んでしまった。「PART3」でマーティとの対決に負けたタネンも、荷車に積まれた堆肥に突っ込んでしまう。
また、 「キング・オブ・ポップ」ことマイケル・ジャクソンさんのネタも、実はお約束だ。「PART2」では2015年で入ったカフェでマイケルさんの楽曲「今夜はビート・イット」がかかっていたり、店内のビデオモニターにマイケルさんのそっくりさんが登場する。「PART3」では、1885年でバーに入ったマーティがタネンと遭遇し、足元を撃たれながら「どうした踊れ」と言われるシーンで、ムーンウォークを披露している。見たこともないダンスにあっけにつられた隙(すき)をつき、マーティがタネンを撃退する。
劇中には、本記事では紹介仕切れないほどの数々の小ネタやパロディーが描写されている。公開から30年たった今でも、目をこらして見ると新たな発見があるかもしれない。
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