SPECIAL EDITED VERSION 『ONE PIECE』魚人島編
第1話 再出発!集う麦わらの一味!
11月3日(日)放送分
「ボス・ベイビー」などのドリームワークス・アニメーションの劇場版アニメ「トロールズ ミュージック★パワー」(ウォルト・ドーン監督)の日本語吹き替え版が、10月2日に公開される。吹き替え版で、渋い低音ラップをキメる新キャラクター、タイニー・ダイヤモンドを演じるのが、「ドラえもん」のジャイアン役でも知られる木村昴さんだ。大のラップ好きで、さまざまな作品でラップを披露する木村さんは「キャラクターによって何通りものラップを楽しむことができるので、アニメでラップをやるのは至福の瞬間」と語る。作品の魅力、声優としての思いを聞いた。
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「トロールズ」は、劇場版が2016年に公開され、全世界興行収入約3億5000ドル(約385億円)のヒットを記録した(日本未公開)。歌と踊りが大好きなヒロインのポピーら愉快な仲間たちが冒険を繰り広げる“ミュージック・アドベンチャー”。最新作となる「トロールズ ミュージック★パワー」では、ポップミュージックを楽しむポピーたちが、この世界に別の音楽を楽しむ仲間たちがいることを知る。テクノ、クラシック、カントリー、ファンク、ロックとさまざまなジャンルを楽しむトロールたちと出会うべく冒険の旅に出る。
木村さんは、同作の日本語吹き替え版の公開が決まる前からタイニー・ダイヤモンドが気になっていたという。
「日本語吹き替え版をやるなら、このキャラクターはぜひ僕がやりたいなと思っていました。今回予告編のナレーションをやらせていただいたんですけど、その時に『このキャラクターのラップをやってみませんか?』と言われて、『いいんですか!?』みたいな。その流れで日本語吹き替え版のタイニー・ダイヤモンドもやらせていただけることになったんです。すごくうれしかったのを覚えています」
ラップがきっかけで決まった同作への出演。タイニー・ダイヤモンドは、斉藤壮馬さん演じるガイ・ダイヤモンドの息子で、生まれた瞬間に低音ボイスのラップを披露するキャラクターだ。海外版では、キーナン・トンプソンさんが演じている。
「キーナン・トンプソンさんは、『ラッパーってこういう声だよね』と、ラップを連想するのにぴったりの声なんです。だから、僕もそういう雰囲気を出せないかと思ってトライしました。最初はハスキーボイスのキーナンさんのラップに寄せていたのですが、せっかくならオリジナリティーも出していこうと、キーナンさんより声をちょっと低くして、ハスキーさを増してやってみました」
劇中にさまざまなジャンルの音楽が登場する中で、タイニー・ダイヤモンドのラップでは「『ラップといえばこれ!』という強烈なインパクトを残したかった」といい、「コテコテの王道のラップ」を表現した。
「ラップの中にはさまざまなスタイルがあって、いろいろな方法があるんですけど、タイニー・ダイヤモンドは見た目からデカいサングラスを付けて、カセットでビートを流す。1970年代後半から80年代のオールドスクールラップというか、Run-D.M.C.(米ヒップホップグループ)がアディダスのファッションで登場したくらいの頃を再現しているのかなと。コテコテな“That’t HIP HOP”をやった感じですね」
木村さんは、キャラクターを演じながらラップを奏でることを「ラップ好きとしては至福の瞬間」と話す。
「キャラクターを演じながら、いろいろな方法やスタイルでラップができるのは楽しいです。このキャラクターだったらこうやるだろうと想像しながら、一つのラップでも何通りもの楽しみ方ができる」
「トロールズ ミュージック★パワー」では、さまざまな音楽を楽しむトロールたちが音楽性の違いによって対立する様子も描かれる。木村さんは、作品の「違いこそ素晴らしいというメッセージに共感した」と語る。
「例えば、僕のラップを違うジャンルの人に『君の音楽はもうちょっとこうしたほうがいいよ』と言われるとカチンと来る(笑い)。やっぱり自分の音楽を守りたいという気持ちはそれぞれある。それはしょうがないんですけど、『あの人たちもすごいな』ってリスペクトできて、認め合うことができる寛大さを持ち合わせている人がいい音楽家なんじゃないかなと。違いを認めるということは、身近なところでいえば背が小さい・大きいとか、国際規模で見れば人種の問題もそうだし、作品を見た人の心に抱えているものに照らし合わせることができるなと思いました」
話を聞いていると、木村さんの音楽への思いの強さがひしひしと伝わってきた。木村さんは子供のころからラッパーになるのが夢だったといい、その夢を声優としてかなえることになった。
「ちゃんと真摯(しんし)に好きを貫けば向こうから近付いてきてくれるんだなと実感しています。だから『離さないぜ』みたいな感じもあるし、すごい奇跡だなと思っています。本当に自信を持って言えるのは、道をそれず真摯にやってきたからなのかなと」
木村さんがアニメ「ドラえもん」でジャイアン役に抜擢されてから今年で15年目で、30歳を迎えた。「ひょんなことで声優をやらせていただくことになった」と振り返りながらも「声優業に関しては投げ出したくない」という思いをずっと持ってきた。
「本気で目指していた人にも失礼だし、『なんちゃって』でやりたくない。僕は僕のやり方でぱちもんだっていわれても、オリジナルになっていくような方法を探しながらやっていきたい。誰になんと言われようが、僕が今やっていることが、僕にとってのオリジナリティーであってほしいなと。やるからにはやりきるということを今後も大事にしたい」
中学生でドラえもん声優になった時、ショックで落ち込んだ時期もあったという。
「同級生を見ていると、文化祭の時に体育館裏で好きな子に告白したり、彼女と水族館に行ったり、そういう青春を送るんだろうな、自分にはそういうものはないんだなと思ってへこみました。ただ、中学生で大人の皆さんに鍛えてもらうみたいな経験は、同級生には絶対味わえないこと。そう思ったら『これが俺の青春か』と納得できて、そこからは前向きになれました」
その青春は「今も続いている」と話す。
「大人になって思うのは、『俺、声優さんになってから青春終わってないな』と。むしろ青春真っただ中で、声優って奇跡のような仕事だなとすごく思います。まだもうちょっと行けそうな気がしますよ、俺の青春(笑い)」
声優として独自の魅力を放つ木村さん。今後のさらなる活躍に注目したい。
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