女優の長澤まさみさん、秋山菜津子さん、俳優の阿部サダヲさんがトリプル主演を務めたミュージカル「フリムンシスターズ」の昨年11月12日にBunkamuraシアターコクーン(東京都渋谷区)で上演された舞台公演の模様が、2月20日午後2時半からWOWOWプライムで放送される。放送を前に3人が鼎談(ていだん)し、舞台裏や秘話などを明かした。
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舞台は、同所の芸術監督を務める松尾スズキさんによる監督就任後初の新作。故郷・沖縄での忌まわしい過去を記憶から消し去り、東京・西新宿のコンビニに住み込みで働き、無気力に暮らすちひろ(長澤さん)、かつての大女優のみつ子(秋山さん)、みつ子の親友でゲイのヒデヨシ(阿部さん)らフリムン(沖縄の方言で“気がふれる”などを意味する言葉)たちの過去や現在のさまざまな出来事が連鎖していく物語。
――稽古(けいこ)場で印象に残っていることはありますか。
長澤さん:松尾(スズキ)さんに言われたことで覚えているのは、ちひろのせりふは松尾さんの思いが入ってるっていうのを言われて。
秋山さん・阿部さん:へえ。
長澤さん:「僕が思ってることだったりするからね」みたいな感じで言われた時にちひろのせりふの「重み」みたいなものを感じました。しかもお客さんに向かって言うシーンが多いので、すごく責任を感じて。役もそうなんですけど、感慨深かったです。
阿部さん:それは 初めて知った。へえ。松尾さんは「芯がない」ってことか。
秋山さん:「芯がない」ってことかな。
長澤さん:そこだけがメッセージじゃないと思う(笑い)。設定なだけでしょ!
阿部さん:そうだね。
秋山さん:そうそう思い出した。「たべっ子どうぶつ」を万引きするシーンがあるじゃないですか。そこで「これはゴミ、私はモラリスト」って言うところで稽古(けいこ)の後半の方に松尾さんに「老婆みたいに」って言われて。演出助手の大堀(光威)くんもちゃんとメモしていて、何日間か老婆のように「ウェーー」ってやってたら、松尾さんに「なんか芝居がちょっと。そんなでしたっけ?」と言われたので、「『老婆のように』って言われましたけど……」って言ったら、自分が言ったことをすっかり忘れてました。
阿部さん:うわーそうなんだ。
秋山さん:どういうつもりで老婆って言ったんだか。ちゃんと演出助手も「老婆」って書いていて。
――お気に入りのシーンを教えてください。
阿部さん:「うちはフリムン」という歌があるんですけど、あれやっぱり好きですね。僕はそのシーン出ていないんですけど。
秋山さん:(舞台)袖で歌ってない?
阿部さん:あ、はい。あれ? ばれてる?
秋山さん:この間、女子みんなが言ってた。「怖い」って。何か男の人の声が聞こえるって。じゃあ阿部さんなんだ、やっぱり。
長澤さん:怖い。
阿部さん:そんな大声で歌ってないですけどね。
秋山さん:あれ、じゃあ違うのかな……。
阿部さん:みんなが歌いたくなるくらい好きな曲っていうか、稽古場の時から好きでした。
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