やくならマグカップも:多治見市IT企業が手がける原作 地元、陶芸の魅力を伝える

「やくならマグカップも」の原作マンガ
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「やくならマグカップも」の原作マンガ

 岐阜県多治見市が舞台で、伝統工芸品・美濃焼がテーマのマンガが原作のテレビアニメ「やくならマグカップも(やくも)」(CBCテレビ、BS11、TOKYO MX、MBS、AT-X)。原作は、2010年に多治見の有志や企業が集まり、プロジェクトが始動。2012年から地元IT企業のプラネットがフリーコミックを発行している。原作は、同社のスタッフを中心としたチームによって制作され、多治見、陶芸の魅力を日本中、世界に向けて発信している。 

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 ◇担当の垣根を越え 面白いアイデアをどんどん採用

 「やくならマグカップも」は、脱サラした父親と母の故郷・多治見市に引っ越してきた豊川姫乃が、母が伝説の陶芸家であったことを知り、陶芸の世界に引き込まれていく姿を描く。

 ディレクターを務める田口直佳さん、作画を担当する梶原おさむさん、デザイン、プロモーションを担当する山崎綾子さん、タイトルデザイン・編集の竹内英祐さん、ホームページを手掛ける関口大輔さん、プログラマーとして技術面でプロジェクトを支える奥村英介さんらが、マンガを手がけている。スタッフ全員がアイデアを出し合い、脚本を担当。プログラマーの奥村さんが、土から生まれたキャラクター真土泥右衛門(まっどでいえもん)のアイデアを出すなど、面白いアイデアはどんどん採用する。

 プラネットはIT企業だ。小池和人会長が「そもそもソフトを作るチーム。このプロジェクトのために、それぞれがアイデアを出し合い、できることをやっています」と話すように、それぞれの担当の垣根を越え、チームが一丸となって作品に向き合っている。

 ◇新鮮な目で多治見を見て

 スタッフはアニメの放送に向けて「多治見の自然を伝えてほしいです。焼き物が身近にあるなど独特な景色もあります」「美濃焼はバラエティー豊かなのがいいところ。作陶はクリエーティブで奥が深い世界です。若い人にその魅力を伝えたいです」と期待を寄せる。

 放送中の「やくならマグカップも」は前半15分がアニメ、後半15分が実写パートの2部構成で、実写パートに声優の田中美海さん、芹澤優さん、若井友希さん、本泉莉奈さんが出演し、多治見のさまざまなスポットを訪れ、魅力を紹介。声優陣が陶芸にも挑戦する。

 小池会長は「地元の人間は多治見の風景に慣れてしまっていて、その魅力にピンとこないところもあるかもしれない。外からの新鮮な目で多治見を見ていただければうれしいです」と語る

 田中さんら声優陣は、多治見を訪れ「風景が東京とは違って、遠くを見ると山が見えます。晴れの日、雨の日でも表情が違います」「いろいろなところにタイルがあるんですね。新鮮でした。モザイクタイルミュージアムもすてきでした」と魅了された様子。

 「やくならマグカップも」は、多治見を知らなかった人には新鮮に見えるはず。そして、住民を含めた知っている人には魅力を再発見できるアニメになりそうだ。

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