和月伸宏さんの人気マンガを俳優の佐藤健さん主演で実写化した映画「るろうに剣心」(大友啓史監督)シリーズの最終章2部作の第1弾「るろうに剣心 最終章 The Final」が4月23日から公開されるのを記念して、印象的だった剣心(佐藤さん)のライバルや敵役たちを振り返る。今回は、4月9日からリバイバル上映がスタートした、シリーズ第2作「るろうに剣心 京都大火編」に登場した、神木隆之介さん演じる瀬田宗次郎を紹介する。
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「るろうに剣心」は、幕末に人斬り抜刀斎として恐れられた剣心が明治維新後、不殺(ころさず)を誓った流浪人(るろうに)として、新たな時代の生き方を模索していく姿を描いた和月さんの人気マンガ。1994~99年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、テレビアニメ化された。実写映画は、これまでに「るろうに剣心」「るろうに剣心 京都大火編」「るろうに剣心 伝説の最期編」の3作が公開された。
宗次郎は、“最凶”の兵を集めて日本制圧を目論む志々雄真実(藤原竜也さん)が率いる特攻部隊“十本刀”の筆頭にして、最も長く仕える側近で、“天剣の宗次郎”と呼ばれる。剣術にかけては“天賦の才”を持ち、剣心と互角の速さで抜刀術を操るだけでなく、その上の速さを行く“縮地”という移動術を持っている。
幼い頃から養父母らに虐待された経験から、喜怒哀楽のうち楽以外の感情が滑落。そのため何も感じず微笑みながら人を殺し、闘気も殺気も発しないので、剣心が得意とする相手の心理の先読みが通じない。
1作目の「るろうに剣心」では剣心のアイデンティティーである“不殺の誓い”が物語の鍵となっていたが、「京都大火編」では“不殺の誓い”の象徴ともいえる剣心の“逆刃刀”にも注目が集まった。刀の刃と峰が文字通り逆になっている斬れない刀で、剣心が“不殺の誓い”を守りながら戦うためには必須の刀だが、「京都大火編」でこの逆刃刀を折ったのが宗次郎だ。
志々雄から受けた弱肉強食の教えをこの世の真理とし、剣心の得意とする抜刀術に対して自身も抜刀術を繰り出し、剣心の技を上回って“逆刃刀”をたたき折るという離れ業をやってのける強者。そして、“楽”以外の感情がないため戦闘中も常に笑顔という、志々雄とはまた違った怖さと狂気、そして底知れない強さを感じさせるキャラクターだ。演じる神木さんも宗次郎の持つ無垢(むく)な狂気を全身から放ちながら、剣心を演じる佐藤さんと共に、息つく間もない高速のアクションを披露している。
「強ければ生き、弱ければ死ぬだけだ……!」と、「弱肉強食」を体現しながら戦う姿は、不殺の誓いを守り続けながら戦う剣心の大きな脅威として立ちはだかる。剣心と宗次郎の戦いは「京都大火編」の中でも屈指の名シーンだ。
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