ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
葦原大介さんの人気マンガが原作のテレビアニメ「ワールドトリガー」のサードシーズンが、テレビ朝日系で10月9日深夜1時半から放送される。同作は、2014年10月~2016年4月にファーストシーズンを放送。今年1~4月に放送されたセカンドシーズンは、約4年半ぶりの“復活”となったことも話題になった。セカンドシーズン、サードシーズンの間隔は約半年で、こんなに早くサードシーズンを見ることができるとは……と喜ぶファンも多い。主人公の一人で玉狛第2(三雲隊)の隊長の三雲修を演じる梶裕貴さんは、ファンと一緒に喜びを感じつつ、「修や三雲隊とメンバーと一緒に成長していきたい」と感じているという。梶さんに「ワールドトリガー」への思い、サードシーズンについて聞いた。
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「ワールドトリガー」は、「週刊少年ジャンプ」(集英社)で2013年2月に連載をスタートしたSFマンガ。“こちらの世界”を侵略しようと異次元からやって来る近界民(ネイバー)と防衛組織であるボーダーの戦いを描いている。現在は「ジャンプSQ.(スクエア)」(同)で連載中。
セカンドシーズンで約4年半ぶりの“復活”。そして、サードシーズンの放送……と熱くなっているファンも多い。梶さんも気持ちは同じだ。
「ファーストシーズンが惜しまれつつも一旦幕を閉じ、そこからセカンドシーズンまで、かなりの間隔が空きましたが、これだけ面白い作品ですから、いつか復活してくれるはず!と信じていました。それだけに、セカンドシーズン決定の報告を受けた時はうれしかったですね。サードシーズンは、アフレコとしてもセカンドシーズンから大きく間が空くことはなかったので、続けさせていただけることが純粋にうれしかったです」
梶さんの「ワールドトリガー」への想いは並々ならぬものを感じる。イベントなどでのこれまでの発言からも、いかに「ワールドトリガー」を愛し、読み込み、真摯(しんし)に収録に臨んできたかがうかがえる。改めて「ワールドトリガー」の魅力を聞いてみた。
「一言では言い表せないくらい面白さの種類が、たくさん詰まっている作品。世界観やバトル演出をはじめ、緻密に計算された人間ドラマもすごく魅力的で。もちろんいい意味ですけれど“決して王道ではない”ところもたまらないんです。この世にはいろいろなタイプの人間がいて、その一人一人にちゃんと人生があって、背景があってというのを、これだけ多くのキャラクターが登場するのにもかかわらず、丁寧に描いてくださっている。僕らのような現実に生きる人間と一緒で、いわゆる“普通”とか“当たり前”なんてものは決してなく、誰しもが特別で、個性的な部分を持っているんです。だからこそ、きっと共感できるし、応援したくなると思うんですよね。登場した時に、『ちょっと小憎たらしいかも?』なんて思うキャラクターがいたとしても、その人物の過去、そして、そこからの現在を知っていくと、いつの間にか好きになってしまっているんです。そんなリアリティーある人間像が僕は大好きで」
キャラクターの“深み”も大きな魅力だ。“深み”があるから何度見ても新たな発見がある。
「世界観、空間、スタイリッシュなデザインなどの印象から、どこか無機質な印象も受ける作品で、もちろんそういった点も魅力的なんですが……。実は、そこに登場する人物たちは真逆と言ってもいいくらいに、すごく生々しいんです。物語は基本的に、修を中心とした視点で進んでいきますが、とりわけ特定の誰かを“主人公”と限定しているわけじゃない。どのキャラクターについても、しっかりと深いところまで潜って描かれていて。弱さが見えた瞬間やコンプレックスが垣間見えた瞬間ほど、ドラマとしてグッと盛り上がるんですよね。誰もが痛みや傷を抱えて生きている中で、たとえ自分の無力さに絶望する瞬間が訪れようとも……それでも“誰もが誰かの役に立てる、誰かを支えることはできるんだ”ということをきちんと伝えてくれる。そういう物語だと思うんですよね」
コロナ禍ということもあり、サードシーズンは、セカンドシーズンに続き、最少人数で収録した。「ワールドトリガー」は豪華声優陣の出演も話題になっているが、全員がそろうことは難しかった。
「ファーストシーズンの全員集まって収録できていた時の環境とはちょっと違うので、すごく寂しいですけど……。でも、だからこそ『あの頃はなんてぜいたくだったんだ!』と改めて感じていますね。あの人数そろって皆で一緒に収録でき、しかも、なかなかお会いさせていただく機会の少ない大先輩方と掛け合いで芝居ができるという。ものすごくありがたい経験でした」
ファーストシーズンで先輩たちに囲まれ、緊張感の中、収録した経験が今も生きている。
「現場は、小さい頃からお声やお芝居を聴いていた大先輩だらけ。感動しましたし、勉強になりましたし……。やはり、その分の緊張感もありました。『こいつらの世代もちゃんと芝居と向き合っているんだ』『それだけの熱量見せてくるんだったら』と思っていただけるように、という、どこか自分へのプレッシャーもありましたね。勝手に、ですが(笑い)。今はコロナ禍で、大人数では収録できない状況ですが、その現場の空気感を経験しているからこそ、離れてしまっても『ワールドトリガー』という作品がしっかり一本の線としてつながれているところなのかなと感じています」
セカンド、サードシーズンのアフレコは「シーンごとに、絡むキャラクター同士の役者が一緒に録れるようにと、2~3人ずつのチーム分けをして収録が行われています。制作スタッフの方の考慮・配慮のおかげです。心から感謝しています」という。
「修は、空閑や千佳と一緒にいるイメージが強いかと思いますが、会話的な意味で言うと、実際に多いのは宇佐美先輩なんです。オペレーター役なので、隊長とのやりとりも必然的に増えるわけで。千佳はどちらかといえば寡黙ですし、空閑もヒュースも強いので……。ほら、強い人ってあまりしゃべらないじゃないですか。なので、修が一人で汗をかきながら悩んでいるような描写が多くて(笑い)。モノローグも多いですからね。まあでも、それが三雲隊らしさな気もします」
サードシーズンは、修の変化も見どころの一つになる。
「修の立ち位置も変化してきています。実は、もともと求心力を持っている人だと思うんですよね、彼って。それをいよいよ、周りの大人たち……ボーダー上層部の人たちも認めざるを得ない事態になってきているのかな、と。バトル面においても“ワイヤー陣”という、ほかのチームではまず思いつかなかったであろう戦略をマスターしました。彼自身が点を取るわけでなくても、チームとして大きな役割を果たせる存在になってきたんです」
修は、真面目で正義感が強く、危うくもある魅力的なキャラクターだ。その魅力は、梶さんの演技によるところも大きい。
「修は機転が効き、知識を応用できる人。戦えば戦うほど、いろいろなデータを吸収すればするほど、自分は何ができるのか?を考えます。いざとなった時に、自分がどうすることがチームにとってベストなのかを瞬時に判断できる力も、死線をくぐり抜ける中で身に付いてきたのでしょう。普通は、もちろん自分自身が強い方がシンプルだし、何よりカッコいいものなんでしょうけど……。彼にとっては、強くなることや自分が勝つことは、正直どうでもよくて。チームとして勝てれば、目的が達成されれば、それで構わないと思える人なんです。そういった“割り切れる強さ”が誰よりもあるんじゃないかなと。それくらい頭がいいし、覚悟が決まっているんですよね。彼、まだ中学生ですよ…(笑い)。その分、同時に危うさも感じ、そこが心配でありつつ……。演じる身としてはワクワクする部分でもありますね」
梶さんはストイックに“修らしさ”を追求している。
「僕は極力リアリティーを追求したいと思うタイプではあるんですけど、いろいろな現場を経験する中で、最近は『せっかくアニメなんだから、アニメだからこそできる表現も取り入れるべきでは?』と考えるようになりました。この作品でいえば『修らしさや緊迫感がより伝わる方法は何か』といった点ですね。そのあたりを意識的に探りつつ、その時の最善を模索しています」
2014年のファーストシーズンのスタートから約7年にわたって修を演じ続けている。梶さんにとって「ワールドトリガー」という作品はどんな存在になっているのだろうか?
「ありがたいことに、アニメ『ワールドトリガー』とほぼ同じような時期から、今も継続して演じさせていただいている役が多く、そのどれについてもご縁を感じています。三雲修も、その中の一人。出会えたことに心から感謝しています。『ワールドトリガー』は、いまだに終わりというものが全く見えない作品。最後まで必ず、修と一緒に、三雲隊と一緒に成長していきたいと思っています」
サードシーズンは、島崎信長さんが演じるヒュースが、玉狛第2のメンバーに加わり、共に戦いを繰り広げる。
「“かつて敵だったキャラクターが味方になる”というのは、いつの時代も、誰もが胸熱な展開ですよね! まあ味方と言っても、あくまでそれぞれの思惑が重なったという意味ではありますが……。つまりは、ヒュースの修への信頼度がカギ。そのあたりを含めた三雲隊のチームワークこそが、サードシーズンの注目ポイントです」
サードシーズンではどんな変化があるのか? ヒュースが仲間に加わったことで起きる化学反応が楽しみだ。玉狛第2のメンバーは一癖も二癖もあるが、梶さんが演じる修が、きっと引っ張ってくれるはず!
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