カムカムエヴリバディ:「日本にあって良かった!」 15分で「毎日が輝く」朝ドラの存在意義

NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のメインビジュアル (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のメインビジュアル (C)NHK

 女優の上白石萌音さん、深津絵里さん、川栄李奈さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「カムカムエヴリバディ」(総合、月~土曜午前8時ほか)の本編の最終回が4月8日に放送された。今作では、「ラジオ英語講座」や「ジャズ」「時代劇」「野球」と並んで「朝ドラ」も一つのテーマとして描かれていた。「朝ドラが日本にあってよかった。朝に面白いエンタメのドラマが15分あると日々が豊かになるなと思います」と語る制作統括の堀之内礼二郎チーフプロデューサー(CP)に、朝ドラへの思いを聞いた。

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 るい(深津さん)の叔母・雪衣(岡田結実さん、晩年期は多岐川裕美さん)が、1作目「娘と私」(1961年)から欠かさず見ていたという朝ドラ。雪衣は、第98回(3月21日放送)で「好きなんじゃ。1日15分だけのこの時間が。たった15分。半年であれだけ喜びも悲しみもあるんじゃから、何十年も生きとりゃ、いろいろあって当たりめえじゃが」とその魅力を語っていた。雪衣が2003年の「てるてる家族」の途中で亡くなった後、もともと朝ドラ好きだったひなた(川栄さん)の父・錠一郎(オダギリジョーさん)に“皆勤賞”は引き継がれたようだ。

 このように劇中には、「おしん」(1983年)、「ぴあの」(1994年)、「やんちゃくれ」(1998年)、「オードリー」(2000年)といった朝ドラが次々に登場し、物語の一つのスパイスになっていた。第108回(4月4日放送)では時代が2022年になり、年老いたるいに促された錠一郎がテレビをつけると、「カムカムエヴリバディ」のタイトルバックが流れるという、“パラレルワールド”的な粋な演出も話題になった。

 堀之内CPは「朝ドラが日本にあってよかったなと思います。朝に面白いエンタメのドラマ、心を動かすエンタメがあると、たった15分でも一日が豊かになるなと思います。アメリカに行ったとき、『日本では朝にドラマがある』と言ったら、『忙しい朝に誰が見るんだ』と言われましたが、面白い朝ドラがあれば楽しい気持ちで出かけられるし、見ている人同士で盛り上がったりできる。それが毎日続けば毎日が輝いていく。そういう人たちがもっと増えれば、世の中はもっと良くなっていくのではという思いがあります」と実感を込めて語る。

 そして、今作を作り終えて、「朝ドラに携われただけでもありがたいですが、多くの方に愛していただいて本当に幸せです。今回感じたのは、朝ドラは視聴者と一緒に作っているということ。視聴者の皆さんの考察を見ていると面白いんですよね。『そういう見方もある』と僕らが学ぶことも多かったです。今の時代、ドラマを楽しんで、それに感想を書いたり人の感想やニュースを読んだり、先の展開を想像したり人と話したり、そういうふうにして過ごす時間も含めて、全部が『朝ドラ』だと思いますし、多くの方に楽しい時間をお届けできたことが何よりうれしい」と充実感をにじませた。

 朝ドラの一つの“マイルストーン”となった「カムカムエヴリバディ」。105作目の朝ドラがもたらした功績をかみしめながら、今後も朝ドラを楽しみ続けたい。

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