荒川弘さんの人気マンガ「鋼の錬金術師」(ハガレン)が原作で、人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さんが主演を務める実写映画シリーズの完結編が、二部作「鋼の錬金術師 完結編 復讐(ふくしゅう)者スカー/最後の錬成」(曽利文彦監督、5月20日・6月24日公開)として2カ月連続で公開される。シン国第十二皇子のリン・ヤオ役を演じる渡邊圭祐さんは、原作が「めちゃくちゃ好き。ド世代だと個人的には思っています」という。そんな渡邊さんに役作りへのこだわりや主演の山田さんの印象、原作の魅力、好きなキャラクターなどを聞いた。
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一本筋の通った、抜けていそうに見えるけど、自分の国のことを考える男、みたいな部分を持っている人だなと感じていました。(自分が演じたリンも)そうした要素がそのまま映像に反映されていればいいなと思っています。
あまりそういう気負いみたいなものはなかったかもしれません。考えすぎず楽しく、一原作ファンとしてハガレンの世界に浸れる喜びをかみ締めながら、楽しむことを大切にしました。
特に意識したのが“原作ファースト”という部分です。自分の中にあるリン像は間違いなく原作を読んで得られたもの。その像を崩さず自分のエッセンスを入れずに、あくまでも自分の解釈の中から生まれるリンと監督の解釈の中から生まれるリンをすり合わせていってできるもの、といった感覚を大切にしました。表情やリンの持つ温度のようなものも原作の表情などを参考にしつつ、原作のキャラクター像を目指してやりました。
ほぼ地毛でいっているのは僕の中では「よしっ!」と思ったところではあります。衣装もとてもこだわっていただき、僕以上に各スタッフさんの愛や熱意のおかげでリンの“器”というか“側”ができ上がったと思います。
確かにそう言われると、敵か味方か分からないキャラクターをやりがちではありますね(笑い)。ただ今回は僕の中で、エドとアルに対してはずっと仲間意識を持ちながら演じていたなと、振り返ると今はそう思いますね。
そうですね。エドに対しては悪いやつには見えないですから。スカーとかエンヴィーとか、高橋努さんがやっていたキャラクター(バルド)もそうですけど、“悪”にしか見えない人たちとエドはやっぱり違うなというのは、山田君がまとう“空気”であり、そこに僕は仲間意識を持ってやっていた気がします。
あまり意識しなかったかもしれないです。仕事柄、別の作品が並行することはよくあるので、その感覚と同じかもしれません。突き抜けて善と悪みたいなテンションでやれば、そこでリンの体にグリードが、という部分は表現できるのかなと感じていました。
2人とも一つの目標というかゴールに向かって手段を選ばないというのは一緒。リンがグリードを受け入れたのもそうですし、グリードがリンを選んだ理由もそこにあると思います。近しい目標にしろドデカい夢にしろ、人生を生きていく上での軸を持っていれば指標ができ生きやすくなると考えているので、その点はリンもグリードも見習える部分です。
錬金術という題材が少年心をくすぐりますよね。錬金術は“トガり”みたいな印象を受けますし、引かれるものがあります。それと各キャラクターが立っているだけでなく、ストーリーがヒューマンに寄っていることにも引きつけられるものがあります。深みがすごくある物語なので、若い世代だけじゃなく大人にも受ける。長く愛される要因はそこにあるのではと思います。
僕自身、入り口は完全に錬金術ですけど、感動的なのにちょっとギャグ要素もありつつバトル要素もあってというストーリーや、学びの多い部分にハマりました。
まずはグリードかな。原作を読んでいる時から一人だけちょっと毛並みが違う気がしていて、いいキャラクターだなと思っていました。演じることができたのはうれしかったです。
それとヒューズ。前作で描かれていますけど、(原作の中で)一番感動できると思っているし、マンガを読んで泣いたのは初めてぐらい、ヒューズのエピソードは好きです。あとハボックはシンプルにビジュアルが一番好み。優しいしカッコいいですね。
グラトニー役の内山信二さん。原作があってそこを目指しますけど、完璧にというのは無理な部分も出てきます。それでも内山さん“完璧”だし、あれは超えられないだろうなって。
もちろん内面とかも含めると、山田君演じるエドがずば抜けています。熱量もありますし、力を入れていることは見ていてもわかりましたし、話していても感じました。その熱量の高さは一緒にやっていてやりやすかったですし、エドがいるからリンとしていられるみたいな瞬間はありました。CGを使った撮影ではどうしても集中力を保ち続けるのが難しい瞬間も出てきてしまいますが、エドがいるだけで引き戻してくれる空気感はすごかった。同い年というのもあって、個人的にも刺激になりました。
どのシーンも役者は熱量を注いでやっていますし、エドがいるから、山田君だから全員がついていったところはあります。曽利監督が用意してくれた原作愛あふれるフィールドで原作への愛情を持った役者が踊っている部分は見てほしい。その“愛”ですかね。
リンとしては日本刀とは違う動きを意識したアクションと、内野聖陽さん演じる“お父様”からグリードを頬の傷にたらされるシーンかな。リンがグリードを受け入れるシーンの撮影は印象として一番残っているし、すごく気合が入っていたので見てほしいです。(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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