神谷浩史:「ドラゴンボール」憧れの先輩、野沢雅子のすごさ 「伝統芸能」に達した演技

「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」に出演する神谷浩史さん
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「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」に出演する神谷浩史さん

 鳥山明さんのマンガが原作の人気アニメ「ドラゴンボール」シリーズの21作目となる劇場版アニメ「ドラゴンボール超(スーパー) スーパーヒーロー」が、6月11日に公開される。劇場版は、神谷浩史さん、宮野真守さんが劇場版の新キャラクターでレッドリボン軍の人造人間のガンマ1号、2号を演じることも話題になっている。「ドラゴンボール」シリーズの声優と言えば、主人公・孫悟空役の野沢雅子さんだ。神谷さんは、所属事務所の先輩で、これまでも共演経験のある野沢さんの演技について「伝統芸能」と表現する。神谷さんに、怖さすら感じたという野沢さんのすごさを語ってもらった。

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 「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」は、鳥山さんが原作、脚本、キャラクターデザインを担当。孫悟飯とピッコロの師弟コンビが、レッドリボン軍、新たな人造人間と激突する。神谷さんは出演が決まり、「本当にすごい機会に恵まれた」と感じたという。

 「うれしかったですよ。すごく長く続いているコンテンツで、ある程度役がフィックスしているので、そこに新しく入っていくことはなかなか難しい。そんな中で、映画のために鳥山先生がデザインされた役を演じられるなんて。そんなチャンスに恵まれることは、声優をやっていてもなかなかないですから」

 神谷さんが演じるガンマ1号は、新生レッドリボン軍のDr.ヘドが生み出した新たな人造人間。ガンマ1号は、野沢さんが演じる孫悟飯と戦うことになる。神谷さんは、野沢さんの演技を目の当たりにして「感覚がちょっとすごすぎる」と驚かされた。

 「マコさん(野沢さん)って、人間の年齢で言うとご高齢なんですけど、あの人は妖怪なので、多分8歳ぐらいの感覚なんだと思うんです。例えば、悟飯のアドリブを求められた時に、テストで絵を見てすぐに『はい、ここね、分かりました』と。マコさんは1言うと、10は分かっちゃうんですよね。1回見た絵を完璧に覚えていて、そこに当ててくる。絶対ずれないんです。それは記憶力と反射神経の問題なのですが、マコさんはそれが1ミリも衰えていない。怖いなと思って」

 野沢さんと共演し、「悟飯が『もうそこにいる』」という感覚にもなった。

 「もう伝統芸能ですよね。30年以上にわたって孫一家を演じ続けてらっしゃるわけですから。マコさんの中で、それをやることは特別なことではないんだと思うんですよね。僕自身、声を聞いて『あ、テレビで聞いた声だ』みたいな、素人みたいなことを思ってしまいました」

 神谷さんにとって野沢さんは、所属事務所の先輩で、若手の頃から交流があったといい、「ずっと変わらないですし、ずっと憧れの人」と語る。

 「僕はマコさんが主役をやってらした作品で育っていますから。『いなかっぺ大将』『ど根性ガエル』『怪物くん』だったり、『銀河鉄道999』も『トム・ソーヤーの冒険』もそうだし、そういうものが大好きで。だから僕は、飼い猫の名前がニャンコ先生(『いなかっぺ大将』のニャンコ先生)というんですけどね。なんというか、常に野沢雅子は野沢雅子だなと。マコさんがいると、現場が和やかに明るくなって、みんなが『マコさんのことが大好き』という、そういう空間になりますね」

 「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」では、野沢さん自身も神谷さんに対して「私がこう出たら、こう受け止めてくれる……と分かるんです」と絶大な信頼を寄せているようだった。野沢さん演じる悟飯と神谷さん演じるガンマ1号がどんなバトルを繰り広げるのか、期待が高まる。

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