僕愛&君愛:物語の鍵を握る“パラレル・シフト”とは? 新場面写真も

「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」の場面写真(C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会
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「僕が愛したすべての君へ」「君を愛したひとりの僕へ」の場面写真(C)2022 「僕愛」「君愛」製作委員会

 2016年6月に発表され、動画サービス「TikTok」で話題になった乙野四方字(おとの・よもじ)さんの小説が原作の劇場版アニメ「僕が愛したすべての君へ(僕愛)」(松本淳監督)と「君を愛したひとりの僕へ(君愛)」(カサヰケンイチ監督)の新たな場面写真が公開された。主人公の暦と花嫁姿の女性、暦と「君愛」のヒロイン・栞が道路で向き合うシーン、「僕愛」のヒロイン・和音が描かれている。原作は、二つの作品の世界が交差する設定が話題となっており、ストーリーの重要な鍵となるという“パラレル・シフト”について紹介する。

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 「僕愛」と「君愛」の世界では、何かを選択するときに選ばなかった方の世界が“並行世界”として実在していることが証明されており、パラレル・シフトは自分が“選ばなかった方の世界”へ移動できる体験。移動するのは意識のみで、基本的には少しの選択の違いがある近い並行世界へ移動し、一定の時間がたつと元に戻る。

 「僕愛」の世界では、自分にパラレル・シフトが起こっているかどうかが、小さな変化では分からないため、生まれた時にIPと呼ばれる数値を測定し、そこを“ゼロ世界”としてIP端末という端末に登録する。公開された場面写真には、和音が暦に自身のIP端末を見せ、ゼロ世界ではなく別の世界から来たことを説明する場面も描かれている。意図的にパラレル・シフトを起こすIPカプセルという装置も存在しており、「君愛」の世界で親同士の再婚を知った暦と栞が、兄妹にならない運命が約束された並行世界への駆け落ちを決断させ、悲劇を生むきっかけになる。

 「僕愛」と「君愛」は、並行世界を行き来することができる世界を舞台に、同じ名前の二人の少年がそれぞれの世界で一人の少女と恋に落ちる姿が描かれる。2作品はそれぞれストーリーは独立しているが、どちらも読むと二つの世界が絡み合い交差していることに気付くという斬新な設定がTikTokなどで話題になった。ハヤカワ文庫から小説が発売され、累計発行部数は40万部を突破している。

 アニメは、タツノコプロのレーベル「BAKKEN RECORD」が「僕愛」、「ルパン三世」シリーズなどで知られるトムス・エンタテインメントが「君愛」をそれぞれ製作する。宮沢氷魚さんが声優初挑戦で「僕愛」の主人公の高校生・高崎暦と「君愛」の主人公の小学生・日高暦を演じるほか、橋本愛さんが「僕愛」のヒロイン・瀧川和音役、蒔田彩珠さんが「君愛」のヒロイン・佐藤栞役の声優を務める。10月7日に2作同時公開。

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