アメトーーク!
ひとり暮らし長~い芸人
11月21日(木)放送分
現在動画配信サービス「Paravi」で配信中のオリジナルドラマ「悪魔はそこに居る」に出演している俳優の和田雅成さん。ドラマは女優の吉谷彩子さんと石井杏奈さんのダブル主演で、一つ屋根の下に暮らすいとこの女性2人の愛憎劇を描いており、和田さんは吉谷さん演じる今西詩と交際するプライドの高い銀行マン・新谷貴人を演じている。和田さんに、本作の撮影で感じたことや今後の展望などを聞いた。
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ドラマは、小説投稿サイト「エブリスタ」で人気を博し、電子コミック配信サービス「めちゃコミック」でコミカライズもされた、清水セイカさん原作、でじおとでじこレッドさん作画の同名マンガが原作。アルバイトをしながらフリーライターを目指す詩(吉谷さん)と甘え上手な九条美園(石井さん)はいとこ同士で、都内のマンションで同居する親友のような関係だったが、ある日、詩は美園の“裏の顔”を知ってしまう。巧妙なうそで周囲の心を操り、詩の家族、友人、恋人までも奪っていた美園に絶望した詩は、復讐(ふくしゅう)を誓って反撃に転じるが……というストーリー。詩に寄り添うバイト仲間の伊崎紘役で上杉柊平さんも出演している。
負の感情が集結したような冷酷なサイコパスの美園と、そんな美園に復讐を誓うも鬼になりきれない詩。本作で描かれているのは、そんな2人を中心とした愛憎劇だ。新谷役の和田さんは、演じるうえで原作からヒントをもらったという。
「最初に台本を読んだ時、正直に言うと、キャラクターに全然共感ができないなと思ったんですよ(笑い)。それぞれが自分勝手すぎるなと思ったんですけど、ある意味、『欲に忠実になった時の人間ってこれじゃないかな』とも思ったんですよね。そこでどんどん、その役の正義というものが見えてきて、最終話まで読んだ時にやっと一本つながったんです。新谷は原作を読ませてもらった時に、台本だけでは見えなかった部分も見えてきて。作者さんは、こういう表情でこういうことを伝えたかったんだ、と原作からヒントももらいました」
和田さん演じる新谷は、プライドが高く周囲より優位に立ちたがる人物だが、詩を傷つけるための道具として美園に利用されてしまう。そんな新谷を、和田さんは「すごく純粋な人」と捉えた。
「新谷は美園に振り回されていく。振り回される人って、すごく純粋な人だと思うんですよね。相手から言われたことに傷つくし、全部信じるし。でもだまされていると思っていないから、気がついたら振り回されている。一番純粋な人だなって思います。みんな欲に純粋なんですけど、純粋のベクトルが全然違うというか。一番人を疑ってかかりそうな男なのに、疑わず、気がついたらめちゃくちゃにされていたっていう……かわいそうな男だと思いません?(笑い)」と語る。
そんな新谷とは、共通する部分もある。「たぶん、僕も気がついたらだまされているタイプだと思います(笑い)。だいぶマシになったんですけど……。『そんな悪いやつ、おらんやろ』と思うじゃないですか。でも東京に出てきて、速攻、それがダメな考えだって気づきました(笑い)。『東京ってこええ!』って感じましたね。『あ、人って信じすぎちゃダメなんだな』って」と冗談めかして打ち明ける和田さん。そう語る一方で、「でも、僕の考えとして『だまされてもいいな』って思うまで好きになれるかどうかだと思うんですよね」という思いも口にする。
美園に利用され、うそをつかれ、裏切られる新谷だが、だからこそ撮影中は「相手を信じること」を何より大事にしていたという。「意識して『相手を信じよう』なんて思っていると途端に軽くなるんですけど……信じているからこそ、最後にだまされてすごく傷つく。だから相手を信じることを大事にしていたというか……無意識に信じていたな、と思います」と振り返る。
そんな新谷役を演じたことは、和田さんにとって大切な経験だったようだ。「この現場に入らせていただいて、今後の役者人生における自分の経験値として必要なものがたくさんあったので、しっかりこの経験を生かさないとな、と思います」と充実していたことを明かす。
「僕、お風呂場に悪魔がいて。お風呂場で、その日にあったこととか、自分が考えていることとか、全部出るんですよ。お風呂場って考える時間が多いじゃないですか。そういう時に、自分が出したものに満足は絶対にできない。『俺、今日いい芝居したな』なんて絶対思えないですし。もちろん納得したものを出せる時もあるとは思うんですけど……。(今回は)お風呂場で『もっとこうした方がいい』とか、そういうのがいっぱい出たなって。それが正解かも分かんないですけどね」
本来ポジティブな性格だが、風呂場では「めっちゃネガティブ」という和田さん。ただ、そうしたひと時は自身にとって大切な時間だと考えており、本作の撮影中もそんな時間が「本当に、めちゃくちゃ多かったです」と振り返る。
今年32歳になる。和田さんには昔から信じている予感があり、本作も含めた30代での数々の出演は、そのために必要な経験だと考えている。
「僕、(俳優を)始めた時から『32歳で信じられないぐらい売れる』ってずっと言っているんです。ばかみたいだと思われてもいいんですけど、そういう自信がずっとあって。この作品もそうですが、32歳でそこに行くために必要な経験を、すごくさせていただいてるんですよね。いい経験をご縁でいただいているなと感じています」
そんな和田さんの30代の目標は、「健康に生きる」こと。「今、舞台をやっているんですけど、1日、体調不良の子が出て中止になったんです。健康に生きるって、今は本当に難しいことだなって思うんですよね。もちろん目標はいくらでもありますけど、やっぱり健康に生きないとその目標にたどり着けないので、『健康に生きる』が目標です」とほほ笑みつつ語る。
最後に改めてドラマの見どころを尋ねると、「序盤はスピーディーに進んでいくんです。最初は『なんでこうなってるんだろう』と分からない部分もあるんですけど、どんどん(登場人物の)過去などが終盤で分かっていくので『うわー、楽しみ!』となると思います。それが魅力ですね。ドラマって、毎週楽しみにして生きられるじゃないですか。『人間関係、どうなっていくんだろう?』ということがまさに楽しみになるドラマなので、僕のだまされ具合もですけど、どんどん人間関係にはまっていってほしいなと思います」と熱く魅力を語ってくれた。
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