宮野真守:積み重ねた経験が生む「宮野真守なりの表現」 大切にしている「面白いは正義」の思い

連続ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」で横溝太一を演じる宮野真守さん(C)フジテレビ
1 / 4
連続ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」で横溝太一を演じる宮野真守さん(C)フジテレビ

 フジテレビ系“月9”(月曜午後9時)枠で放送中の連続ドラマ「女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~」。ロースクール(法科大学院)を舞台にしたリーガル青春群像劇で、主人公・柊木雫(北川景子さん)の同期で検事の横溝太一を演じているのが宮野真守さんだ。宮野さんは声優、俳優、アーティストと幅広いジャンルで活躍。それぞれの経験が「宮野真守なりの表現」につながっているという。そんな宮野さんが活動する上で大切にしている思いとは――。

あなたにオススメ

 ◇横溝は「自分も信じる道を貫き通したいと思わせてくれる役」

 ドラマでは、「人を知らなければいい法律家にはなれない」という信念を持つ裁判官・柊木が、青南大学法科大学院の派遣教員として働くことになり、法曹界の未来をよりよくするために“人を知る”授業を繰り広げる。

 宮野さん演じる横溝は、柊木のロースクール時代の同期。下位ローとされる青南ローを卒業して検事になったが、学生時代は成績が悪く、卒業に4年かかった。柊木のように人に寄り添う検事で、「僕が法廷に立っていられるのは弁護人がいるから」だと考えている。

 第3話では、検事を目指す学生の照井雪乃(南沙良さん)、桐矢純平(前田旺志郎さん)が、横溝の担当する公判を見学。公判が終わった後、横溝は2人に「お互いがあらゆる手段を使って本気で闘って出した答えなら、限りなく真実に近いと思えるからね。検事と弁護人は敵であり、味方なんだよ」と話す場面が描かれた。

 同話の法廷シーンについて、宮野さんは「横溝の本質をちゃんと見せたいという思いがありました」と振り返る。「責めるでもなく、諭すでもなく、本質に寄り添うというのが彼の大事なところだと感じたんです。言葉の強さや被告に向けるまなざし、一つ一つをすごく意識しながら演じるようにしました」。

 また、このシーンを経て、宮野さんは横溝の「感情に流されないように被告に向かっていく姿」を実感したという。

 「きっと横溝はもともと感情豊かで、どちらかと言えば流されやすい人だと思うのですが、人の感情を感じ取れるからこそ、そこに流されるのではなく、導く方向を示していく。その姿に一本芯が通った強さを感じました。そういった彼の真っすぐな部分には共感しますし、違う職業ではありますが、自分も信じる道を貫き通したいと思わせてくれる役ですね」

 ◇「こんなにできるようになるなんて」 現場で感じる違いも「楽しくてしょうがない」

 宮野さんは今作で“月9”ドラマに初出演。「僕はテレビっ子で、子供の頃からテレビが大好きなんです。月9ドラマもずっと見ていましたし、小さい頃の自分に月9出るよって言ってあげたい(笑い)」と語る。

 前クールでは、連続ドラマ「君の花になる」(TBS系)に出演し、2クール続けてのドラマ出演も話題を呼んでいる。そんな宮野さんは「お芝居の奥深さ、面白さ」をより一層感じているという。

 「演じる上で用意する感情は同じなのですが、声だけで演じるとき、舞台上で演じるとき、カメラの前で演じるときでアウトプットの仕方が全く違ってくる。声優、舞台、ドラマとやらせていただいて、自分の想像力や経験値がすごく豊かになったと思いますし、表現がどんどん広がっていると感じます。それぞれ全然違うからこそ、各現場で迷いますし、自分ができていないことに気付かされたりもしますが、それが表現者としては楽しくてしょうがないです」

 声優、俳優としてだけではなく、今年はバラエティー番組「ぐるぐるナインティナイン」(日本テレビ系、木曜午後8時)の人気コーナー「グルメチキンレース ゴチになります!」(ゴチバトル)の新メンバーにも選ばれ、ますます活躍の場を広げている。「声優、俳優、アーティスト、タレントと、こんなにできるようになるなんて思っていなかったので、すごくうれしいですね」。

 ◇多岐にわたる活動で“唯一無二の表現”に 根底にある「楽しんでもらいたい」気持ち

 声優業を中心にさまざまなフィールドで活動する宮野さん。「例えば舞台をやっていても、『せりふがとても聞き取りやすかった』と言っていただくことがあって。そういったところは自分の武器として受け止めながら、それだけじゃないところも見つけていかなきゃいけない」と明かす。

 今回の横溝役に対しても、視聴者からは「マモちゃんのせりふの言い回し、さすがとしか言いようがない」「声を生業(なりわい)にしている宮野真守にしか伝えられない言葉」といった声が上がっている。こうした反響を受けて、宮野さんは「全ての経験が僕の表現になり、唯一無二のものを見せられているのかなと思うことができますね」と語る。

 「いろいろなことを経験をしたからこそ、自分はこれができる、こうしたいとか、声優でこういう役を演じるなら、ドラマでこのせりふを話すなら……と考えるときの選択肢や情報がどんどん蓄積されている感じがしています。それが表に出たときに、皆さんに言っていただけるような“宮野真守なりの表現”につながっているのかなと思います」

 そう話す宮野さんが、活動する上で大切にしているのが“面白さ”だ。「『面白いは正義』ですよね。やっぱり『面白い』って人を幸せにするなと思うんです。みんなで笑うことで平和につながるなって日ごろから感じていて。自分も面白いことで楽しんでもらいたいし、そういう空気になったらうれしい。どんな現場であっても、その現場自体に『面白い』『楽しい』があったらいいなと思っています」

写真を見る全 4 枚

テレビ 最新記事