緊急取調室 (2025)
第7話 赤い殺意
12月4日(木)放送分
草なぎ剛さん主演の連続ドラマ「罠(わな)の戦争」(カンテレ・フジテレビ系、月曜午後10時)。物語はクライマックスへと向かっているが、草なぎさんは撮影現場でどのようなことを意識して、主演の立場を全うしたのか。後輩の役者たちへの思い、自身の芝居や将来について考えていることを聞いた。
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ドラマは、愛する家族を傷つけられた国会議員秘書・鷲津亨(草なぎさん)が知略を巡らし、悪徳政治家の失脚をもくろむ政治エンターテインメント。脚本家・後藤法子さんのオリジナル作で、草なぎさん主演の「銭の戦争」(2015年1月期)、「嘘(うそ)の戦争」(2017年1月期)に続く6年ぶりの「戦争シリーズ」だ。
物語は、誰が味方で誰が敵か、疑心暗鬼になるような緊迫した場面が続いているが「チームワークは良いです」と草なぎさんは語る。
「本当に温かい現場で、まとまっていると思います。長い撮影ですからうまくいかないこともありますが、みんなの力でここまで来られている。最終話も良いものが届けられると手応えを感じています」と胸を張る。
この6年での草なぎさんの“進化”を問うと「年齢も重ねてきましたし、若い方にも出し惜しみをしないで接しています。杉野遥亮君や小野花梨さん、坂口涼太郎君など若手の方々には僕を見て何か拾ってもらえないかなという気持ちでいます。そういった思いは6年前よりも増していると思います」と語る。直接アドバイスはせずとも、背中から何か感じとってもらいたいとの思いが強い。
声をかけない理由については、「みなさんプロなので教えることはないんです」と出演者全員をリスペクトする。「お芝居は感じる部分が多いので。声をかけるとしたら『早く寝よう』くらいですね。みんな自分で考えて進んでいける力を持っているので、僕も刺激を受けますし、良い感じの相乗効果があると思います」と話す。
ベテランの域にも達してきたが、若手に「何かを伝えたい。感じてほしい」というのは、ある種自身の引退や引き際を考えての思いなのだろうか。
「グループの解散もありましたが、この世界を辞めようとは思いませんでした。この世界が好きで入ったので、引き際は考えたことはありません。むしろ年を重ねて、これからだと思っています。70歳、80歳を超えても芝居ができることが理想ですが、人生は何パターンもありますから。自分がやっている仕事はすてきだと思っているので、できることなら最後までこの世界にいたいです」とまだまだ芝居の道を突き進む覚悟だ。
草なぎさんが主演を務めた映画「ミッドナイトスワン」(2020年)では、「第44回日本アカデミー賞」の最優秀主演男優賞を受賞するなど、その演技が確かな評価を受けている。「罠の戦争」においても、視聴者から「鬼気迫る演技が素晴らしい」「感情の表現がうま過ぎる」など、演技への感想が毎話寄せられている。
しかし、草なぎさん本人は「うまい演技なんてないですよ」とあっけらかん。「見てくれる方がうまいって言ってくださるのはもちろんうれしいです。例えば、舞台をやっている時は自分で『うまくいった!』という時よりも、失敗してあたふたした時の方が盛り上がることもあるんですよ」と笑い飛ばす。
「演技は自由なんです。正解はないから、その人の好きでいいんだと思います。演技は考えてできるものではないと思っているんですよ。だから役作りって何だろう、何を作っているんだろうと思うし。もちろん監督さんの指示もありますけど、現場に入って好きにやらせてもらっています」とその場で感じたことを大切にしている。
物語は終盤戦へと突入するが、「回を追うごとにハマっている」と草なぎさんが言うのが、香取慎吾さんが、韓国の13人組ボーイズグループ「SEVENTEEN」とコラボした主題歌「BETTING」だ。
「主題歌がドラマの展開を後押ししてくれますし、僕には考えつかない音なのですごいなあ、うれしいなあと思います。後半に入って、さらに主題歌が輝きを増しますし、ドラマを盛り上げてくれます。慎吾ちゃんに『ありがとう』ですね」と香取さんが携わっていることも心強いと感じている。
今後の見どころについては「このドラマが面白いのは、泰生(白鳥晴都さん)を突き落とした犯人探しがテーマではないことです。もちろん、エンターテインメントの中で犯人探しというのもありますが、一筋縄ではいかない罠が視聴者のみなさんに仕掛けられていますよ」とニヤリと笑った。
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