放課後カルテ
第10話(最終話) これからも健康でいてほしい
12月21日(土)放送分
4月10日からフジテレビ系“月9”枠で放送される連続ドラマ「風間公親-教場0-」(月曜午後9時、初回は30分拡大)で主演を務める木村拓哉さん。木村さん演じる主人公・風間公親が教官として警察学校に赴任する前、新人刑事の教育に「刑事指導官」として当たっていた時代を描く。連ドラ化への思いや、これまでとは立場などが変わる役どころについて、木村さんが本作について語った。
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ドラマは、長岡弘樹さんの警察小説「教場」シリーズ(小学館)の「教場0 刑事指導官・風間公親」「教場X 刑事指導官・風間公親」が原作。キャリアの浅い若手刑事が、刑事指導官の風間とバディーを組み、実際の殺人事件の捜査を通して刑事のスキルを学ぶ育成システム「風間道場」が舞台となる。風間が後輩刑事を事件解決に導くとともに、若手刑事の抱える問題やトラブルにも手を差し伸べ……というストーリー。風間がなぜ冷酷無比な人格になったのかが明らかとなる。
スペシャルドラマ「教場」(2020年)、「教場II」(2021年)が放送され、続編を望む声が多く寄せられた中での連ドラ化。木村さんは、「正直、連続ドラマで風間をやらせていただくことは、僕の中では不可能だと思っていた」と率直な思いを明かす。
スペシャルドラマから引き続き、演出を手がける中江功監督と話し合う中で、心を動かされたという木村さんは、「作品の中身をちょっと引用させていただくと、(自分は)ある意味、“蜷川(幸雄さん)教場”や“中江教場”で育ってきたと思っているので、その本人からの説明と熱意を感じ、『お願いします』という形になれた」と説明する。
また「フジテレビ月曜9時という“物件”に、こういう内容の“店”を当てはめていいものかという意味で、若干挑戦的な部分はあると思う」と感じつつ、「監督や慣れ親しんだスタッフが現場にいてくれるので、何の不安もない」と信頼を寄せる木村さん。「高いクオリティーを求める監督なので、そこに対する現場の緊張感は毎日あります。その気持ちいい緊張感の中でワンカット、ワンカット進んでいるので充実しています」と笑顔を見せた。
今作の風間は刑事として事件を捜査。立場も刑事指導官となるが、演じていて、これまでと違いを感じる部分や逆に変わらないところはどこなのだろうか。
木村さんは、「(風間が)警察学校という特別な空間ではなく、皆さんが普段生活しているのと同じ背景を背負うことになる」のが、スペシャルドラマとの大きな違いで、「監督ともそこをどう違和感なく、どう面白くできるかが、最初の話し合いで詰めたところ」と明かす。
一方で「風間の軸は変わっていない」という木村さんは、「彼が警察学校に赴く前にどんな感じの時間を送り、なぜ彼は警察学校の教官になったかを今回作らせていただくのですが、スペシャル2本を撮ったあとなので、いろいろと逆算をしていかないといけない部分はあります」とも語った。
今作には刑事指導官である風間とバディーを組む新人刑事として、隼田聖子(はやた・せいこ)役で新垣結衣さん、遠野章宏(とおの・あきひろ)で北村匠海さんらの出演が発表されている。
前2作では風間のキャラクターや作風とあいまって現場には独特の緊張感があると言われていたが、木村さんは「今回一般社会の中の風間で、いろいろな新米の刑事になってくださる方たちとの話なので、僕は何も構える感じもなくすごくフラットな状態です」と明かす。
ただ共演者に関しては、「皆さんの趣や表情、体温を勝手に推測すると、前2作があの空気感なので、出演を喜んでくださっている方もいますが、『来てしまった……!』のような空気でいらっしゃる人たちがいることもとても感じます」と本音をのぞかせた。
改めて、今作の位置づけについて、「スペシャルを2本やらせていただいて、もうちょっと見てみたいという皆さんの気持ちをいただいた上で、じゃあどういうものをやろうかという。どう皆さんにドキドキしてもらおうかということだと思う」と話す木村さん。
「見逃し配信」を含め、テレビドラマを取り巻く環境が昔と変わったことで、「下手したらテレビの電源を入れてもらえないかもしれない」と危機感を覚えつつ、「見る方たちの選択肢が豊かになっているのは面白いし、本当にシビア。あきらめとは違いますが、自分が取り組む熱意とは別にラインを引いて考えなきゃいけない部分はあると思う」と冷静に分析。その上で、「現場として面白い責任が毎日転がっていて、現場の熱は高めに毎日やっているなというのはあります」と語った。
さらに、自分にも他人も厳しい風間というキャラクターを、「今は『リスペクトトレーニング』という言葉もあるくらいなので、彼の指導の仕方が今の世の中に合っているかどうかは非常に疑問が持たれるところではありますけど」と評しつつ、「そこはフィクションという強い盾を振りかざして作っていきたい」とエンターテインメントとしての完成度を高めることを誓っていた。(取材・文:遠藤政樹)
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