名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
吾峠呼世晴(ごとうげ・こよはる)さんのマンガが原作のアニメ「鬼滅の刃」の新作テレビアニメ「テレビアニメ『鬼滅の刃』刀鍛冶の里編」。フジテレビ系ほかで4月に放送をスタートし、主人公・竈門炭治郎、不死川玄弥(しなずがわ・げんや)ら鬼殺隊と鬼との激しい戦いが描かれ、炭治郎役の花江夏樹さん、玄弥役の岡本信彦さんら声優陣の熱演が話題になっている。玄弥の“叫び”にこだわったという岡本さんに収録の裏側を聞いた。
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「鬼滅の刃」は、家族を鬼に殺された竈門炭治郎が、鬼に変異してしまった妹・禰豆子を人間に戻すために旅立つ……というストーリー。原作は、2016~20年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された。コミックスの累計発行部数は1億5000万部以上。新編を描くアニメ「刀鍛冶の里編」は、前作「遊郭編」から続くストーリーで、刀鍛冶が住む刀鍛冶の里での鬼との戦いが描かれる。
岡本さんが演じる不死川玄弥は、2019年に放送された「竈門炭治郎 立志編」で初登場した。炭治郎と共に鬼殺隊の入隊試験・最終選別を突破した同期で、風柱・不死川実弥(さねみ)の弟でもある。「刀鍛冶の里編」では、炭治郎に対抗心を抱きながらも、共に鬼に立ち向かう姿が描かれている。岡本さんは玄弥を「ずっと背伸びをして頑張っているキャラクター」と表現する。
「ずっと無理をして、背伸びをして頑張っているキャラクターだと捉えています。呼吸を使えないということ、柱である強い兄との対比も考えて、お芝居をしていました。最初は抑え気味で収録に臨んでいたのですが、『もっと叫んでください』という演出をいただいて、ずっとイライラしていて、ずっと焦っているキャラクター、というイメージがそこで固まりました」
岡本さんは、玄弥の“叫び”にこだわった。
「僕の中では、叫ぶ時は、音的には尻上がりで、アッパーカットのような意識でやると、強いキャラっぽく見えるイメージなんです。丹田に意識があって、腹式で叫ぶ。玄弥も腹式で叫ぶ時はあるんですけど、8割は胸式で叫んでいるイメージで、浅めの呼吸で叫ぶようにしています。なぜかというと、ずっと一生懸命で、余裕がない感じなので、深めの呼吸では叫べない。お芝居の方向性としては、丹田を意識して重いパンチを繰り出すというよりは、『とにかく何でもいいから当たってくれ』というような感覚です」
第3話以降、炭治郎、禰豆子、玄弥は、上弦の肆・半天狗(はんてんぐ)の分裂体である積怒(せきど)、可楽(からく)、空喜(うろぎ)、哀絶(あいぜつ)という4体の鬼と激闘を繰り広げている。岡本さんは、第3話以降は「ずっと叫びっぱなしでした」と収録を振り返る。
「第3話から第4話、第4話から第5話、第5話から第6話の間の熱を帯びたまま、途切れさせないようにするのは結構大変でした。玄弥の場合は、ちょっとでも余裕を見せようとすると『もっと叫んでください』とディレクションをいただいて、これは『強くならないでください』ということなんだろうなと思っていて、『余裕がある=強さ』なんですよね」
叫びの中にも機微を表現しようとしたという。
「ずっと叫ぶ中で、どうやったら一辺倒にならないのかな?と迷いながら収録に臨んでいました。どうやっても音的には一辺倒に聞こえるからどうしよう?と。玄弥の叫びは焦燥感からくるものだと思うのですが、その中の機微といいますか、『少し余裕が出てきたけど叫んでいる』というように『~~だけど叫んでいる』の『~~だけど』の部分にどう折り合いをつけるのかというのは、自分の中で頑張ったところです。音的には全て100パーセントの叫びなのですが、その中にバリエーションがあるように。なかなかにしてうるさいキャラクターが出来上がった気はします(笑い)」
第6話の回想シーンでは、玄弥と兄・実弥の兄弟の過去が描かれた。幼い頃、家族を守るために戦い、鬼になった母をやむなく殺した実弥を玄弥は責めてしまう。回想シーンで幼少期の玄弥を演じた岡本さんは「挑戦でした」と振り返る。
「幼い頃の玄弥をまさか僕が演じるとは思っていなくて、香盤表を見てびっくりしました。泣き叫ぶシーンは、かなり大変でした。泣き叫んでいると、どんどん声が太くなってしまうので、太くならないようにしなきゃと」
岡本さんは、回想シーンを演じ、玄弥を「心優しい子」だと感じたという。
「玄弥は実弥に謝りたいという気持ちから鬼殺隊に入って、『柱になりたい』というところにつながっていると思うので、心優しい子だなと。玄弥は呼吸を使えないですが、一生懸命に戦闘力のインフレについて行こうとしている姿が魅力的だと感じます」
玄弥と炭治郎の同期同士の共闘も「刀鍛冶の里編」の見どころの一つだ。岡本さんは炭治郎役の花江夏樹さんとの掛け合いを「楽しかった」と語る。
「花江くんの持っている声質、本人がまとっている空気も含めて、炭治郎にぴったりというか。どっしりと真ん中にいてくれると、すごく頼もしさがあります。また、何をしでかすか分からない面白さもあるので、現場で一緒に絡むと、聞いていても楽しいというか。炭治郎が素直なので、玄弥との掛け合いがうまく成立しているイメージがありますね」
岡本さんは、必死に強くなろうとあがく玄弥を繊細な演技で表現しようとした。今後、玄弥、炭治郎たちがどんな戦いを繰り広げるのか、目が離せない。
※禰豆子の「禰」は「ネ+爾」が正しい表記となる。
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