解説:“推し”がきっと見つかる「まんぷく」塩軍団 主要メンバーは? いまも愛される名物キャラも誕生

10月2日からNHK・BSプレミアムとBS4Kで再放送されている「まんぷく」のビジュアル=NHK提供
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10月2日からNHK・BSプレミアムとBS4Kで再放送されている「まんぷく」のビジュアル=NHK提供

 NHK・BSプレミアムとBS4Kで再放送中の安藤サクラさん主演の2018年度後期の連続テレビ小説(朝ドラ)「まんぷく」。11月6日から、第6週「お塩を作るんですか!?」がスタートする。同週では、長谷川博己さん演じる萬平が、戦後の混乱期で、世の中に塩が足りないと知ったことをきっかけに、鉄板を使った塩作りを始めようと計画する。そこで、瀬戸康史さん扮(ふん)する居候の神部が連れてきたのが、14人の男たち。本放送時、SNS上で「塩軍団」と命名され、人気を博した。ここでは主要メンバーの活躍ぶりを紹介する。

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 ◇ドラマ後半にも再登場 仕事に恋に衝突した岡と森本

 「塩軍団」とは、萬平が起こした「たちばな塩業」(後に「たちばな栄養食品」へ)の従業員の総称。ドラマの公式SNSのプッシュもあって、視聴者にも定着。そのバラエティーに富んだ顔ぶれから、この中からきっと“推し”が見つかるとして、“推しメン”ならぬ“お塩メン”なんて言葉も飛び交った。

 リーダー格は中尾明慶さん演じる岡幸助。岡は真面目な性格ではあるが、自尊心が高く、けんかっ早いので、同僚とぶつかることもしばしば。時に騒ぎを起こして会社に迷惑をかけることもあった。従業員の間では、ヒロイン・福子(安藤さん)のめいのタカ(岸井ゆきのさん)がひそかに人気を集め、ファンクラブめいたもの(=タカちゃん親衛隊)も作られるが、岡は最初、否定派の一人だった。

 後半には萬平の即席ラーメン作りを手伝う形で、再登場(設定は8年後)。タカの妹で、香田家の次女・吉乃(深川麻衣さん)に一目ぼれ。後に結婚している。

 その岡と共にドラマ後半に再登場し、吉乃をめぐって“恋のバトル”を繰り広げたのが、毎熊克哉さん扮する森本元だ。森本は無愛想な話し方をする少し影のある男。「たちばな塩業」での仕事に対して、どこか斜に構えたところがあり、岡とはまた違った形で周囲の状況に水を差すこともあった。

 その岡とは当初よく衝突し、おかずをめぐって大げんかをやらかすが、8年後、岡と同じように吉乃に一目ぼれ。今度は“恋のバトル”で再戦。結果は森本の負けとなったが、それでも可愛らしい奥さんをもらい、岡とは家族ぐるみで仲良くしていることが描かれた。

 ◇「癒やし」の小松原 “ぶしむす”と名コンビ形成した赤津

 出番の多さでは岡や森本に劣るものの、視聴者にある種の「癒やし」を提供したのが、前原滉さん演じる小松原完二だ。小松原はランニングシャツに丸メガネがトレードマークの、いつもニコニコ笑顔を浮かべている好青年。本放送時、小松原を“お塩メン”としていた視聴者も決して少なくはないだろう。

 「たちばな塩業」の手伝いに来ていたタカのことを気に入り、好意を持つ。また世良(桐谷健太さん)が、塩を闇市に流していることに気づくなどの活躍もあった。小松原役の前原さんは、9月まで放送された2023年度前期の朝ドラ「らんまん」にも出演。主人公・万太郎(神木隆之介さん)の植物学仲間の一人、波多野として物語を彩った。

 そして、岡や森本、小松原以上に人気のキャラクターとなったのが、永沼伊久也さん扮する赤津裕次郎だ。赤津は寿司屋で修行をしていた経験から、主戦場は炊事場となり、ここで、福子の母で、「私は武士の娘です」が口癖の“ぶしむす”こと鈴(松坂慶子さん)と名コンビを形成した。

 赤津の性格はいたってマイペース。鈴主催の“生前葬”に参列した際には、SNSは大いに沸き、「赤津祭り」状態に。赤津役の永沼さんはその後、2019年度後期の「スカーレット」、2022年度後期の「舞いあがれ!」といったNHK大阪放送局制作の朝ドラにも起用され、登場の際には「赤津」の名が多数叫ばれた。

 ◇“萬平、2度目の逮捕”という災いを引き起こすが…

 最初からトラブル続きで、騒動ばかりの「塩軍団」。萬平が、産後の肥立ちが悪い福子、そして栄養失調に苦しむ人たちのため、栄養食品「ダネイホン」の開発にとりかかると、ダネイホン組と塩作り組が対立し、やがてこのトラブルは“萬平、2度目の逮捕”という災いを引き起こすことになる。

 それでも赤津のような、いまも愛される名物キャラが誕生するなど、朝ドラファンにとっては思い出深い「塩軍団」の結成から解散までの日々。もしかしたら、今回の再放送で、新たな“お塩メン”が見つかるかもしれない。

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