終幕のロンド ―もう二度と、会えないあなたに―
最終幕 隠蔽を許さない…遺品整理人、最後の戦い
12月22日(月)放送分
俳優の趣里さんがヒロインを務める2023年度後期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ブギウギ」(月~土曜午前8時ほか)。第62回(12月26日放送)から登場した中国人作曲家・黎錦光(れい・きんこう)は、作曲家・羽鳥善一(草なぎ剛さん)にとって、上海で新たな音楽に触れるキーパーソンとなる役どころだ。黎錦光を演じた浩歌(ハオゴー)さんの魅力について、制作統括の福岡利武さんに聞いた。
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羽鳥が訪れている上海でのエピソードは、戦時下で締め付けが厳しくなった日本を離れた羽鳥が、自由な海外の音楽に触れ、「ブギ」のヒントをつかむという大事な局面となる。そのエピソードにおける重要人物、黎錦光のキャスティングについては、とても悩んだという。
そんな時、スタッフから「中国を中心に大活躍されている浩歌さんにお願いしてみては」と提案され、スケジュールを確認したところ、たまたま日本に滞在している時期と重なり、出演してもらえることになったという。
浩歌さんは1970年1月21日生まれ、大阪府出身。中国を拠点に活動し、「中国で最も有名な日本人」といわれている。かつて矢野浩二名義で俳優をしていたが、2022年9月に現在の芸名に改名した。福岡さんは「そういう方に、中国人の役を演じていただけたら、とても面白いのではないかと思いました」と白羽の矢を立てた時のことを振り返る。
そして実際に出演したシーンを見て、「浩歌さんは中国語が達者で、中国の文化や歴史にもとてもお詳しいので、あの時代の上海の空気感を見事に表現してくださいました。本当に素晴らしい演技でした」と絶賛する。
第62回で黎錦光が劇中に登場すると、SNSでは浩歌さんの“カタコトの日本語”が注目された。「日本語を話す中国人の特徴をよくとらえてる」と話題を呼んだが、福岡さんも「すごくリアルに見えました」と太鼓判を押す。
福岡さんは、ドラマ「坂の上の雲」のスタッフとして、50日ほど中国に滞在していた経験があるといい、「中国人のスタッフや役者さんと一緒にお仕事をしたのですが、そこで触れ合った中国の方の雰囲気を浩歌さんの演技に感じました」と話す。
羽鳥を演じる草なぎさんとのコンビネーションも抜群だといい、「お芝居の波長がとても合うようで、リハーサルからスムーズに進むなあというのが印象的でした」と回顧する。
「前室でも仲良くお話をされていて、良い雰囲気を作り上げてくださっていました。お二人で、中国の撮影の話などをされていたようです。そのかいもあって、上海のシーンは面白い場面になりましたし、草なぎさんも『本当に中国にいるみたい』とおっしゃっていました。取ってつけた感じではない中国人と日本人の友情を感じさせる、非常にリアルなシーンに仕上がったと思います」と手応えを語る。
上海での黎錦光との出会いを通して、より一層、感性に磨きをかけた羽鳥。そんな羽鳥がスズ子(趣里さん)と共に、どのような活躍を見せてくれるのか。今後の展開に注目したい。
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