君たちはどう生きるか:アカデミー賞受賞 鈴木Pが勝因を分析 「宮崎駿の黙示録だった」

「君たちはどう生きるか」の会見に登場したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー
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「君たちはどう生きるか」の会見に登場したスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサー

 「第96回アカデミー賞」の授賞式が米ロサンゼルスのドルビー・シアターで3月11日(日本時間)に開催され、スタジオジブリの宮崎駿監督の劇場版アニメ「君たちはどう生きるか」が、長編アニメーション映画部門賞を受賞した。宮崎監督の作品では、「千と千尋の神隠し」が2003年に日本作品で初めて同賞を受賞しており、約21年ぶり2度目の栄冠となった。同日、スタジオジブリ第1スタジオ(東京都小金井市)で会見が行われ、鈴木敏夫プロデューサーが登場。同作が米国で評価された理由について語った。

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 鈴木プロデューサーは、同作について「日本よりアメリカのほうが、心をつかみやすかったと思う」と話し、その理由について「公開中は言わないようにしていたが、内容が、ある種、旧約聖書の最後の黙示録。宮崎駿の黙示録だと思ったんです。それがアメリカの人には受け入れやすかったんじゃないかな」と分析した。

 宮崎監督は、米作品の影響を受けていると話し、「僕たちが若い頃、1960年代は、アメリカで聖書を基にした大作映画がたくさん作られた。『十戒』『ベン・ハー』『天地創造』と、超大作は聖書を基にしている。宮崎さんも、そういうものから影響を受けているんじゃないか。今回は特にアメリカの影響を色濃く受けた作品と僕は思っています」と説明した。

 CGアニメーションが隆盛する中、全編手描きである「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞を受賞したことについて聞かれると、鈴木プロデューサーは「宮崎もCGでやれば、今の労働量が減るのかな?と、手を出したこともあるんです。ただ、彼の思いつくことは大体コンピューターに向いていない。この作品では、鳥の中から人間が出てくる描写がある。あれはCGでは作りにくい。彼の作るものは手描きでしか作れない。その面白さだと思います」と語った。

 「君たちはどう生きるか」は、2013年公開の「風立ちぬ」以来、約10年ぶりとなる宮崎監督の長編アニメ。宮崎監督が原作、脚本を手掛けた。2022年12月にポスタービジュアルがお披露目されたが、あらすじ、キャスト、主題歌などが事前に明かされないまま、2023年7月14日に公開された。

 俳優の山時聡真さんが主人公・眞人を演じたほか、菅田将暉さん、柴咲コウさん、あいみょんさん、木村佳乃さん、木村拓哉さん、大竹しのぶさん、竹下景子さん、風吹ジュンさん、阿川佐和子さん、滝沢カレンさん、國村隼さん、小林薫さん、火野正平さんが声優として出演した。

 日本を含め約50カ国で公開。北米では2023年12月に2205館で公開され、興行収入が約4598万9600ドルを記録している。3月8日に授賞式が行われた「第47回日本アカデミー賞」で、最優秀アニメーション作品賞に選ばれたことも話題になった。

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