望海風斗:主演ミュージカル「イザボー」がWOWOWで放送・配信 実在したフランスの“最悪の王妃”役 宝塚時代も「実はちょっとした悪役のキャラクターも多かった」

望海風斗さん=WOWOW提供
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望海風斗さん=WOWOW提供

 今年1〜2月に東京、大阪で上演されたミュージカルイザボー」が、4月20日午後8時半からWOWOWで放送・配信されることが明らかになった。放送・配信を控えて、主演を務めた元宝塚トップスターで俳優の望海風斗さんが、本作の見どころや自身が演じた“悪役”への挑戦などについて語った。

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 「イザボー」は、ワタナベエンターテインメントと劇作家の未満健一さんがタッグを組むプロジェクト「MOJOプロジェクト -Musicals of Japan Origin project-」の第1弾。混沌の時代の中、愛と衝動のままに生きたフランスの“最悪の王妃”イザボー・ド・バヴィエールの生きざまが描かれる、日本発のオリジナルミュージカルだ。

 望海さんが演じたイザボーは、フランスの歴史上で最も嫌われた最悪の王妃として名高い人物。望海さんは「いろいろと調べてみると、結構ひどい描かれようなんですよね。でもそんな人を主人公にするのは逆に面白そうだなと思って。中世フランスの物語というと、ジャンヌ・ダルクや、フランス革命などが題材となることが多いと思いますが、そんな中であまり演じたことのない人物を演じられるのは楽しみでした」と振り返る。

 悪役を演じるにあたり、「宝塚を退団してからはあまりそういう役をやってこなかったのですが、実は宝塚のときには、ちょっとした悪役のようなキャラクターを演じることも多かったので。そこはなんとなく私の中では帰ってきたというか、安心感がある役ではありました」と話す。

 その上で、「なぜこの人が悪になったのかという背景を描くようなミュージカルではなく、最後までつかめない人物というのが末満さんの描く『イザボー』の着地点だと思うので。そこはお稽古(けいこ)中から末満さんとしっかりと話し合いながら、自分の中にひとつの芯が通るまで時間をかけてキャラクターをつくりあげました」と明かす。

 女性が不遇を強いられる時代の波に翻弄(ほんろう)されながらも、イザボーは獣のような貪欲さで自分の人生を生き抜く。そんなイザボーを演じる上でキーワードとなったのは“少年マンガ”だったという。

 「お稽古中は『そこまでやる?』『そんな強い人間っている?』といった具合に感じていたんですが、末満さん的には少年マンガに出てくるヒーローの女性版というか。それくらいのパンチがほしいとおっしゃられた時に、ふに落ちるところがあって。末満さんはそういったキーワードを与えてくださるので、それをヒントにつくっていきました」

 本作は、日本有数のクリエイター、アーティストたちの力を借りて、日本発のオリジナルミュージカルを世に送り出す「MOJOプロジェクト」の第1弾。望海さんは「翻訳ものの場合は、元の作品がどういうものか分かった状態で始まるため、作品のエネルギーをお借りしながら、それぞれの役をつくりあげて完成させていく良さがあるのですが、やはりオリジナルは、みんなで協力し合わないとできなかった。そこは面白いところだと思いましたね」と語る。

 そのためチームの一体感が高まっていくのを実感した。「初日にいいものをお見せするために、稽古中からみんなで意見を言い合ったり、助け合ったりしながら答えを探っていきました。もちろんその答えは誰にも分からないのですが、だからこそ全員で一丸となってそこを目指していくんだというチーム感が、より強くなったのかもしれないですね」と回想する。

 チームワークを育む上で、2023年夏に上演し、今年も再演が予定されている「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」の共演者である甲斐翔真さん、中河内雅貴さん、上川一哉さんといったキャスト陣と再共演できたということも大きかったという。「みなさん初めまして、という状態から始まっていたら、多分ここまではなれなかったと思います。やはり最初から気心の知れている人たちがいる中で、いろいろ助け合いながらできたのはすごく大きかった。本当によかったなと思っています」とにこやかに語った。

 2021年4月に宝塚を卒業してから約3年。その間に実写映画やラジオパーソナリティーなど、数多くチャレンジしてきたが、今回のオリジナルミュージカルもまた新たな挑戦の一つだった。

 「宝塚を辞めてから、それでもこうやって挑戦させてもらえる場があるというのはすごくありがたいことだと思いますし、挑戦していくことで知らない自分を知っていくところもあって。まだまだ知らないことはいっぱいありますし、まだこの先の自分にもいろいろな可能性があるのかなと思わせてもらえるような挑戦でした。『イザボー』からはエネルギーをもらえましたし、こういう作品との出会いがあって良かったなと感じています。きっと退団直後だったらできなかっただろうなと思いますね」

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 ミュージカル「イザボー」は、4月20日午後8時半からWOWOWライブ、WOWOWオンデマンドで放送・配信。番組では、望海さんと甲斐さんが作品に込める思い、裏話なども語ったインタビューも放送する。

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