虎に翼:直道「俺、寝られるかな。花江ちゃんが隣にいなくて」 轟、そして優三も それぞれの出征と別れの言葉

NHK連続テレビ小説「虎に翼」第8週の一場面 上川周作さん演じる直道 (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「虎に翼」第8週の一場面 上川周作さん演じる直道 (C)NHK

 伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)。第8週「女冥利に尽きる?」(5月20~24日)では、ヒロインの寅子(伊藤さん)の身近なところで、兄・直道(上川周作さん)、共に法律を学んだ轟太一(戸塚純貴さん)、そして夫の優三(仲野太賀さん)の元に召集令状が届き、戦地へと向かう様子が描かれた。それぞれの出征を振り返る。

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 ◇「俺には分かる」の直道が吐露した不安 轟「また会おう!」と潔く

 山本五十六の国葬が執り行われたことを伝えるラジオの音声で始まった第38回(5月22日放送)では、直道、そして轟に“赤紙”が届き、出征することに。

 ある晩、直道のためにできるかぎりのごちそうをふるまう母のはる(石田ゆり子さん)。その食卓で、直道はこう語る。「俺には分かる。日本はこの戦争に勝って、子供たちにとって、もっともっといい国になっていくって」と──。

 翌朝、見送る家族の前で、妊娠している妹の寅子に向かって「俺には分かる。お前が元気な男の子を産むと」と話しかける直道。寅子から「お兄ちゃんが、そう言うなら女の子だね」と言い返され、笑顔になると、直人と直治の2人の息子に妻の花江(森田望智さん)のことを託しつつ、人前も気にせず花江と別れの抱擁する。

 直道は「俺、寝られるかな。花江ちゃんが隣にいなくて」と不安を吐露すると、花江は目に涙をため「大好きよ。直道さん。絶対帰ってきてね」と耳元でささやき、その後も無言で抱き合い、別れを惜しんだ。

 一方の轟は、あっさりと、それでいて“らしい”別れとなった。

 第38回の終盤、いつものように寅子、よね(土居志央梨さん)とともに公園で昼食を食べていると、轟が「赤紙が来た」と唐突に報告。続けて「法曹の道を究めたいところだが致し方ない。佐賀に帰る」と言葉少なげに伝える。

 よねが「死ぬなよ、轟」と真剣な面持ちで声をかけると、轟は「俺を誰だと思ってるんだ」と笑い、「じゃあ、また会おう!」と言い、潔く去っていった。

 ◇寅子の前で“僕の望み”を語った優三 最後は笑顔で「行ってきます!」

 戦局が厳しくなる中、寅子が優三、娘の優未(ゆみ)と、戦争を乗り越えることを最優先にしようと心に決めた矢先、とうとう優三の元にも召集令状が届く。第40回(5月24日)でのことだった。

 優三は、寅子と出かけ、残り少ない“二人きりの時間”を過ごそうとする。そこで寅子は、優三の優しさに付け込み結婚し、さらに甘えて子を産むが、結局は弁護士を辞めてしまい、すまない気持ちでいっぱいでいることを告白するが、そんな寅子の精いっぱいの“謝罪”に対して、優三が口にしたのは「はて?」だった。

 優三は、寅子の口癖をまねることで、寅子を笑わすことに成功。「トラちゃんが僕にできることは謝ることじゃないよ。トラちゃんができるのは、トラちゃんの好きに生きることです。また弁護士をしてもいい、別の仕事を始めてもいい、優未のいいお母さんでいてもいい。僕の大好きな、あの何かに無我夢中になってるときのトラちゃんの顔をして、何かを頑張ってくれること。いや、やっぱり頑張らなくてもいい。トラちゃんが後悔せず、心から人生をやり切ってくれること。それが僕の望みです」と優しく語りかけるのだった。

 寅子は「何で……そんなこと言うんですか。もう、そんな……もう帰ってこないみたいな……。もう会えないみたいなこと言わないでよ」と懇願すると、優三は笑いながら「ごめん、そんなつもりじゃなくて」と“言い訳”し、「うん……帰ってくるから。トラちゃんと優未の元に。必ず」と寅子を安心させた。

 そして迎えた出征の日。うつむき加減の寅子を“変顔”で必死に笑わそうとする優三は「ありがとね、トラちゃん」と言って、戦地へと向かう。そんな優三を寅子は追いかけると、大きな声で呼び止めて全力の“変顔”を披露。優三も“お返し”をし、二人は泣き笑いの表情に。

 最後は笑顔で「行ってきます!」と言って、再び歩き出す優三。その小さくなってく背中に、尾野真千子さんの「昭和19(1944)年。この年の冬には日本本土各地への爆撃が本格化。日本はいよいよ窮地へと追い込まれていくのでした」とのナレーションが被さり、同回は終了した。

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