わたしの宝物
第6話 生まれ変わったら本当の親子になれるかな・・・
11月21日(木)放送分
水川あさみさん演じる主人公の新聞記者が、櫻井翔さん演じる人気政治家と玉山さん演じる秘書鈴木の奇妙な関係に翻弄されていく連続ドラマ「笑うマトリョーシカ」(TBS系、金曜10時)が6月28日にスタートする。放送を前に水川さんが作品への思いや玉山さん、桜井さんという同世代の共演者への思いを語った。
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原作は、日本推理作家協会賞や山本周五郎賞など数々の受賞歴を持つ早見和真さんが2021年に発表した同名小説。ドラマは、未来の総理候補との呼び声も高い若き人気政治家、清家一郎(櫻井さん)とその有能な秘書、鈴木俊哉(玉山さん)の奇妙な関係を暴こうと、新聞記者である道上香苗(水川さん)が隠された過去を探る。すると、清家が政治家へと昇っていく過程で不審な死亡事故がいくつも起きていたことを知る。清家に関係している何者かの仕業と思えたが、新たな事実や人物が次々と浮上し、突然事故死した道上の父ともつながっていく……というヒューマン政治サスペンスだ。
この作品にはたくさんの人物が出てきますが、それぞれキャラクターが立っていて、そんな彼らがどんなことを考えているのか、探りながら読み進めていくうちに物語にどんどん深くハマっていったというのが原作の印象です。原作では清家と鈴木の話の中に道上という記者がいますが、ドラマは道上の視点で2人の謎を追っていくので、道上の視点が視聴者の視点になっていく。原作の面白さをまた違った形で伝えていくドラマならではの試みをとても面白そうだと思いましたし、興味が湧きました。
白目を剥(む)きそうなくらい難しいですよね(笑い)。人物もたくさん出てきますし、現在と過去を行き来もする。展開が進むごとに関係図が複雑になっていくので、私も台本を読みながら整理して読み進めています。でもその複雑さを理解する過程も、きっと道上が興味を惹(ひ)かれていく過程と同じだと思うので。道上の目線、感じていることだと思って、その興味とリンクさせながら演じていこうと思っています。
演じれば演じるほど、彼女の純粋で真剣な思いに触れることが増えてきました。さまざまな思惑が渦巻く中で、父の死の真相と清家たちの関係を絶対に暴くんだという思いを純粋に強く持ち続けるところが彼女の一番の魅力だと思います。道上には原作には描かれていないドラマオリジナルの部分もたくさんあって。離婚していて子供がいるという設定もそうです。筒井真理子さん演じる母や息子とのシーンは、緊張感のあるシーンが多い中でリラックスした道上が描かれていて好きなシーンです。普段は張り詰めている道上が母に怒られたりする場面を見て、くすっと笑っていただいて、見ている人の心に残ればいいなと思いますね。
今日ちょうど第1話の山場の3人のシーンを撮ったんです。清家が表に見せている顔と、鈴木の思惑と、道上の思いが交差しているのをどう見せるのが一番効果的で、シーンとして素晴らしいものになるかというのをすごくディスカッションして進めました。状況の説明をするセリフや相手に詰め寄るセリフの中に、道上の感情や鈴木の思いなど、それぞれの感情をちゃんと載せて話す難しさを痛感しました。私は現場では、どれだけみんなとコミュニケーションを取れるかが大事だと思っていて。時に緊張感を保てるような関係性を作るためにも、キャストに限らず現場のスタッフさんとも、「今日元気なのかどうか」ということも分かるような距離感でいたいと思っています。
なかなか手強そうですよね。清家とはまた違う腹の内が分からない感じがとても怖くもあるしそそられるというか。玉山くんはお芝居に対して実直で真面目な方です。こうした方がいいということがあれば隠さずにみんなに話してくれますし、私や櫻井くんにもアドバイスをくれたりして。お芝居を本当に好きな人と一緒にできている喜びを実感しています。久しぶりの共演ですが、すごく心強く思っています。
清家もまた違った怖さがありますが、清家には“不思議さ”があると思います。清家は腹の内が分からないというより、何を考えているのか、そもそもの素性が分からない感じ。“宙に浮いている”ような人物だなと。以前玉山くんが取材で櫻井くんご本人のことを、「一般的なイメージとして、プライベートの素性が分からない」という話をしていたことがあったんですが、そういう部分が清家の異様さというか「本当は何をしてるんだろう」というところにつながっているように思います。櫻井くんとは、約10年前に今回とは正反対の役柄で共演して以来ですが、今回の役柄はぴったりの役柄だと思います。櫻井くん自身、お芝居はもちろんキャスターやバラエティー番組など、いろんな側面の顔を持っている。そういうところが清家と似た状況だったり、雰囲気だったりするのかなと思いますね。
たくさんの人物がいろんな交わり方をしながら話が展開していくところがこの作品の一番の面白みだと思います。道上が信念を持って、事件のこと、清家と鈴木のことを追っていく姿を私自身も楽しみながら、緊張感を持ってやっていきたいです。政治をテーマにしたドラマですが、固くて見づらいことはなく、きっと女性の皆さんにも道上の目線と同じように楽しんでいただけるドラマになっていると思いますので、ぜひよろしくお願いします。
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