良いこと悪いこと
最終話 真犯人、だーれだ?
12月20日(土)放送分
伊藤沙莉さんが主演するNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」(総合、月~土曜午前8時ほか)で、男装姿の山田よねを演じる土居志央梨さん。「今まで女性らしい役を演じる機会が多かったので、自分にできるんだろうかという不安はありました」と語る土居さんに、よねを演じるうえで意識していることや、今後の見どころなどについて話を聞いた。
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土居さんが演じているよねは、つらい過去から女性として生きることを捨て、法律の道を目指した男装姿の女性。無愛想で不器用だが、真っすぐで熱い心を持つ寅子(伊藤さん)とは“戦友”として、明律大学女子部からの長い付き合いとなる。
二人の関係性について、土居さんは「よねはトラちゃんに対してキツいことを言いますが、私は愛情表現だと思っていますし、2人が仲良しの証拠だと思って演じています」と語る。
オファーが来た時には、これまでに演じたことがないタイプの役柄に不安を抱えていたという土居さん。初めての衣装合わせでも、その思いは払拭(ふっしょく)されなかった。
「最初の衣装合わせの時はまだ髪を切っていなくて、ショートヘアのかつらとスーツ姿で衣装合わせをしたんです。その時のかつらがあまりにも似合っていなくて、コントみたいになってしまって、『これ、私大丈夫かな?』と不安に思いました」
その後、ロングヘアをバッサリカット。ショートヘアになってからは「自分でもすごくしっくりきましたし、今はスーツ姿の自分のほうが見慣れている感じで、周囲からもかっこいい、似合っているって言ってもらえるので、すごく自信になります」と笑顔を見せた。
外見での役作りはもちろん、声のトーンと仕草も意識したという。
「意思の宿った声、力強い声がよねに似合うと思っていたので、家で一人でしゃべりながら声のトーンを探ったり、スーツを着た時にポケットに手を入れる動作も、とってつけた仕草に見えないように心がけました。新潟編の撮影期間中は、よねの撮影はなかったので、久しぶりの撮影では声のチューニングが分からなくなって、低すぎて悪魔みたいな声になっていました(笑い)」
そんなふうによね役と向き合う中で、心境にも変化があった。
「よねを演じている期間、私服ではスカートを1回もはいてないんじゃないかな。あまりそういう気持ちにならなくて。多分よねがしみついちゃってるんだろうなと思います」
土居さんは2020年度後期の朝ドラ「おちょやん」で朝ドラ初出演。主人公・千代(杉咲花さん)が奉公した芝居茶屋「岡安」のお茶子・富士子を演じた。
「虎に翼」では、主人公・寅子に深く関わる重要な役を務めることになり、「私のキャリアにおいても一つの転換点」と位置付ける。
「今後の私の人生で、思い出すたびに勇気をもらえるような作品。仕事をしていく上で、いつも心の中によねを住まわせておいて、弱気になった時はよねの力を借りて、『虎に翼』を思い出して、この先も頑張っていけるんじゃないかなと思います」
現在32歳の土居さんは、「虎に翼」と出会ったタイミングにも縁を感じているという。
「30代になって、視野が少しずつ広がって、いろいろなことに興味が湧いて、少しだけ余裕を持てるようになった時、この作品のお話をいただきました。きっと猪突猛進(ちょとつもうしん)な20代の頃だったら、のめり込みすぎて、よねをふかんで捉えて演じることができなかったでしょう。今だからこそ、現場を楽しめているんだと思います」
物語も終盤に突入する「虎に翼」。今後の見どころについて、「法廷のシーンがたくさん出てくるので、リーガルドラマとしての『虎に翼』に注目してほしいなと思います。最後の1秒まで、全員で力を合わせて頑張りますので、ぜひ楽しんでいただければうれしいです」と呼びかけた。
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