水曜日のダウンタウン
名探偵津田 第4話 ~電気じかけの罠と100年の祈り~ 前編
12月17日(水)放送分
俳優の武田鉄矢さんが、3月10日放送の黒柳徹子さんの長寿トーク番組「徹子の部屋」(テレビ朝日系)に出演。昨年亡くなった俳優の西田敏行さんとの50年近い付き合いなどを語った。
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西田さんは「こんなふうにやるといいよ」や「君のここは間違っていない」「君のここは少し考えた方がいい」など、いつも笑いと一緒に教えてくれる、ちょっと年上の兄貴だった。「一緒に坂道の登り口から歩き出して、人気という坂道を一緒に登ってきたような気がします」
飲み方について教わったのは「自分がよく飲みに行くお店は必ず奥さんを1回連れて行って、奥さんと一緒にお酒を飲むように」だった。「そういうチャンスを必ず作れ。そうすると、そこから電話したら奥さんだってどこにいるか目に浮かぶわけだから安心する」。「そういう作法みたいなものを教えてくれて、随分勉強しました」
40代になると西田さんがマイホームを建て、ぜひ来てほしいと招かれた。「西田先輩が我が家をずっと案内してくださるんです」。西田さんの夢は、小さなホームバーを持つこととビリヤード、熱帯魚を飼うこと、チャンスがあれば暖炉、だった。ビリヤード台はあったが、熱帯魚を一生懸命に飼っていた。真似をして熱帯魚を飼った。
家を建てた時は西田さんを招待した。「兄貴はしゃれた人ですから、新築祝いに私にくれたプレゼントは天体望遠鏡でした」。ベランダがあるので、「星でも月でも眺めな」とていながら。「大事に夜空を眺めた日々がございました」
売れない時に西田さんが話してくれたのは、友人たちとお金を出し合って小さな劇場を借り、ロシアの演劇をした時のこと。しっかり稽古をして、お客さんが100人も入らない小さな小屋で幕を開けたら、出演者は20人ほどなのにお客さんは10人いるかいないか。ところが最前列に渥美清さんがいると誰かが気づき、楽屋中が大騒ぎになった。西田さんが登場して演じると、渥美さんらしいお客さんが大喝采を送ってくれた。西田さんだけ格別の笑い声で包んでくれた。終わった時、誰かが「西田、お前のところだけ、あの人物は笑ったぞ」と言った。西田さんはそれがすごく嬉しかったと言っていた。
この話を聞いている時はお酒が入っていたが、「武田さん、私とあなたは、あの背中を追いましょう。渥美清という背中を追いましょう。みんなかっこいい男ばかりやりたがるけど、本当にすごいのはあの人なんだ。誰もそのことに気がついてないので、あの渥美清を追っかける 2人でありましょう」と誓い合った。
西田さんの里帰りに福島県郡山市までついて行ったことがある。西田さんとは別行動を取り、西田さんの昔の友人や先生らと一緒にいっぱい飲む機会があり、どんな青年だったかと聞いた。その話によると、役者を目指して古里の福島・郡山から東京に若いころ出たらしいが、演劇の方がうまくいかず、時々1人で帰っていた。誰にも連絡せず、1人で福島・郡山の山河を眺め、阿武隈川のほとりに座ったり、安達太良山を見上げたりして、東京に帰る。そういう西田さんを友達が見つけても誰も声をかけなかったという。
西田さんは大声で叫んでいたそうだ。「安達太良山! 俺は立派な俳優になるから見ててくれ!」や「阿武隈川! 俺はおめえに負けねえぐらい清らかな流れになるぞ!」などと。ユーモアのある同級生は「西田はね、誰も見てなくても芝居をするようなやつでした」と解説した。これは西田さんを一番うまく表現したと思う。「西田さんは演劇性に生きる、ドラマチックが好きな方だったんです。最後の最後まで劇中の人物として命を全うなさったような気がして仕方がないんです」
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2025年12月21日 16:00時点
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