良いこと悪いこと
第8話 7人目、だーれだ?
12月6日(土)放送分
俳優の横浜流星さん主演のNHK大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(総合、日曜午後8時ほか)の第34回「ありがた山とかたじけ茄子(なすび)」が、9月7日に放送された。田沼意次を演じる渡辺謙さんは同回が最後の出演で、「江戸城からの開放です。裃(かみしも)からの解放でもありますね(笑)」とクランクアップ直後の心境を明かしている。
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「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」は64作目の大河ドラマで、日本のメディア産業やポップカルチャーの礎を築いたとされる蔦屋重三郎(略して“蔦重”)の生涯を描く。脚本は一昨年、NHKで放送され、大きな話題となった「ドラマ10『大奥』」などで知られる森下佳子さんが手掛けている。
第34回では、老中首座に抜てきされた定信(井上祐貴さん)は、質素倹約を掲げ、厳しい統制を敷き始める。
そんな中、蔦重(横浜さん)は狂歌師たちに、豪華な狂歌絵本を作ろうと呼びかける。しかし、そこに現れた南畝(桐谷健太さん)は、筆を折ると宣言。南畝は定信を皮肉った狂歌を創作した疑いで処罰の危機にあった。
意次(渡辺さん)が作った世の空気が定信の政によって一変する中、蔦重は世の流れに抗うため、ある決意をもって、意次の屋敷を訪れ……と展開した。
渡辺さんは、意次が蔦重の決断を受け入れるシーンについて「最後にようやくお互いが同じような境遇で『成り上がり者だよね』ということを共有し合うシーンでした。蔦重と意次は、ある種の敵対関係というところもあったので、その辺の兼ね合いの難しさみたいなものを感じながらやっていました」と振り返る。
そのほか印象的なシーンに「前半で言うと武元(石坂浩二さん)との茶室のシーン」を挙げる。
「ようやく2人の関係が氷解していくという中で、非常に緊迫感もあり、ミステリー感もあり、非常に長かったですが、やりがいのあるシーンでした。中盤以降は、家治(眞島秀和さん)とのシーンかな。非常に厚い信頼を受けながら、でも家治自身が抱えている悩みを意次は解決できない。そのジレンマみたいなものもありましたし、家治自身が追い込まれていくときに、会うこともかなわなくなってしまうという中で、それを想定しながら、それまで家治とのシーンを積み上げていったので、意次にとっての家治というのは非常に大きなポジションでした」と話した。
改めて、第34回をもって“退場”となった意次はどのような役だったのか。渡辺さんは「“見えない抑圧感”みたいなものは常にありました。上からも下からも、その抑圧感みたいなものを一身に受けながら、必死で何かを模索し続けるという役でした」と語った。
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