月夜行路 ―答えは名作の中に―
第四話 旅の答えは太宰治に…23年ごしの再会、そして告白。
4月29日(水)放送分
9月8日スタートのNHKの夜ドラ「いつか、無重力の宙(そら)で」(総合、月~木曜午後10時45分)で、主人公・望月飛鳥を演じる木竜麻生さん。ドラマは「超小型人工衛星」で宇宙を目指す、30代女性たちの2度目の青春物語で、「(森田望智さん演じる)ひかりや天文部の仲間たちとの再会をきっかけに、これまで蓋(ふた)をしてきた飛鳥の中の熱量が少しずつ少しずつ、放出されていく。そのプロセスを丁寧に演じたいと思いました」と明かす木竜さんが役について語った。
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ドラマには、高校時代に「一緒に宇宙に行こう」と夢を語り合った天文部の女性4人が登場する。大人になってそれぞれの道を歩む中、ふと忘れていたかつての夢と再会。「超小型人工衛星だったら、今の私たちでも宇宙を目指せるかもしれない……」と、“あの頃”の自分に背中を押されて、2度目の青春が始まる……という内容。
主人公の飛鳥は、大阪の広告代理店勤務の30歳。社内では若手が目指すべきロールモデルと言われ、社員代表として会社の採用サイトにも載っている“できる人”。と言われつつ、周りの期待に応えようと日々必死。何が自分の言葉で、思いなのか、よく分からなくなっている人。高校時代は宇宙が大好きで、よく天体観測に出かけたが、大人になってそんなことをすっかり忘れていた。ひかりとの再会で、蓋をしていた『宇宙』への思いが少しずつあふれ始める。
木竜さんによると物語のはじまりで飛鳥は社会人9年目。上司と後輩の間に挟まれて、日々目の前の仕事に打ち込んでいる、という。
「周囲の人たちが求めることを察知しようと頑張ってしまうし、『自分がこの立ち位置にハマればうまく回るんだろうな』ということを常に考えている人だと思います。だからつい、一人で仕事を抱え込んでしまいがちだけど、これも飛鳥が30歳までの人生で自然と身につけた処世術なのかも。彼女なりの経験則とコミュニケーション術で、意外とそつなく、普通に生きてこられた人なんじゃないかと想像しています」
そんな中、飛鳥は高校時代の天文部の仲間たちと再会して「ああ、私そういえば宇宙が好きだったんだ」と思い出す。
「高校を卒業してからの飛鳥は、蓋を開けられるようなところからはかなり離れた場所に『宇宙』の箱を置いてきていたんだと思います。ところが、ずっと連絡の途絶えていたひかり(森田さん)が目の前に現れて、その箱の蓋を開けられてしまいます。ひかりや天文部の仲間たちとの再会をきっかけに、これまで蓋をしてきた飛鳥のなかの熱量が少しずつ少しずつ、放出されていく。そのプロセスを丁寧に演じたいと思いました」
木竜さんは現在31歳で、飛鳥とは同世代となる。
「私が高校生ぐらいの時は、『30歳』と聞くとものすごく大人だと思っていました。でもいざ自分がその年齢になってみると、そうでもなくて。先日、高校生時代の飛鳥を演じる田牧そらちゃんと30歳のイメージについて話していたときに、そらちゃんに『私を見て。30歳ってこんなもんだから』と言ったぐらいなので(笑)。でも、人って、その時はそのときなりの、精いっぱいの悩みを抱えているものなんだなと実感しています」
30代になってから「自分のことを大事にできる人間になれている」とも感じている。
「私の場合は30代に入った頃から、あきらめ……と言ったら語弊があるかもしれませんが、無理して持たなくていいものを手放していく作業ができるようになりました。自分の『容量』を知ることで、10代の頃よりはもう少し自分のことを大事にできる人間になれているかな、なりたいなと思っています」
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