ドキュメント20min.:明治生まれの日本人はわずか4人 最高齢114歳の女性が“戦前の記憶”を語る

10月19日放送の「ドキュメント20min.」の一場面(C)NHK
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10月19日放送の「ドキュメント20min.」の一場面(C)NHK

 NHK総合のドキュメンタリー番組「ドキュメント20min.」。10月19日午後11時45分からの放送では、「最後の明治人」と題して、日本最高齢114歳の賀川滋子(かがわ・しげこ)さんを取材する。

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 明治時代に生まれた日本人は今、全都道府県への取材によるとわずか4人。取材班はこの夏、4回に渡り奈良の賀川さんの自宅を訪ねたが、はるか昔の記憶は明瞭で、話をすることが大好き、iPadでパズルゲームをするなど、新しいことへの挑戦心も持ち合わせていた。

 とりわけ貴重だったのが、戦前の記憶。初めて洋食を食べた時の違和感、初めて靴をはいた感触、初めてビニール袋を見た驚き。現代では当たり前になった和洋いりまじった衣食住、そのはじまりの瞬間の記憶を賀川さんが語る。歴史の教科書に載っていない、小さな歴史、感情の記憶、そこには、なぜ日本社会は今の姿をしているのか、その手がかりがあった。

 大正デモクラシーの時代、女性の社会進出が進む中、賀川さんは女性医師として活躍。その後、太平洋戦争の渦に巻き込まれていく。取材班は、激動の時代を生き抜いた女性ならではの波瀾万丈な言葉を期待した。しかし、返ってきたのは予想とは違い、静かで、しかし胸に深く残る言葉だった……。

 プロデューサーの斉藤勇城さんは「明治生まれの祖母が亡くなったとき、もっと話を聞いておけばよかったと後悔しました。そんな経験から『明治生まれの方に話をきく』という企画を立ち上げました。ご健在の方は少なく、ディレクターが話を本人から直接聞くことができたのは、賀川滋子さんのみでしたが、強さと優しさ、そしてユーモアを兼ね備えた方で、本当にすばらしいご縁でした。見る方によっては、歴史の貴重な証言とも映ると思いますし、見る方によっては、人生を生きるヒントと映るかもしれません。最も長い時間を知るひとの語りから、皆様はどんなことを感じるでしょうか? ぜひ多くの方にご覧いただきたいです」とコメントした。

 10月22日午前11時30分から、総合で再放送も予定している。

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