松岡広大:「約束は自由の対義語だと思った」 “芝居っぽさ”忘れて挑んだドラマ「君キス」 最終話への思いも

連続ドラマ「君としたキスはいつまでも」に出演する松岡広大さん (C)「君としたキスはいつまでも」製作委員会・ABCテレビ
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連続ドラマ「君としたキスはいつまでも」に出演する松岡広大さん (C)「君としたキスはいつまでも」製作委員会・ABCテレビ

 ABCテレビの「ドラマL」枠で放送中の「君としたキスはいつまでも」(君キス)に出演する松岡広大さん。ドラマは、廃校になった小学校をフルリノベーションした湖畔のホテルが舞台のオリジナルストーリーで、大切な人とのさまざまな愛の形を紡ぐ、儚くも尊くて美しい連作短編集となる。松岡さんが、ドラマの魅力や現場での挑戦、メインを務めた最終話への思いなどを語った。

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 ◇お互い呼応しながら作り上げることができたら

 「君キス」には松岡さんのほか、細田佳央太さん、本島純政さん、猪塚健太さん、青柳塁斗さん、太田将熙さん、溝口琢矢さん、福崎那由他さん、小関裕太さんら、アミューズ所属の俳優による「チーム・ハンサム!」の面々が出演。それぞれメインを務める話がある、いわゆるオムニバス形式の作品だ。

 最終話の放送を残すのみとなったドラマだが、松岡さんは当初から「映像美はさることながら、会話自体の面白さと、会話の間(ま)を恐れない、沈黙する時間も効果的に使っている」と感じていた。

 「カット割りが決して多いわけではなく、長回しで撮れるところは長回しで撮っていて、感情や空気感をものすごく大事にしているのが画(え)から伝わってくるし、等身大の人間がそこに存在しているというのが、実感として伝わってくるところも魅力だなと感じました」

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 松岡さんが演じるのは、5人組の幼なじみのうちの一人・篠原彩斗。あだ名はサイ。俳優を目指して上京したものの、なかなか結果を出せないでいる。そんな中、いまや人気アーティストとなったヨウジ(小関さん)から、ホテルで撮影するミュージックビデオへの出演依頼があり、久々に地元を訪れることに。しばしのあいだ、ケイタ(太田さん)やアキラ(溝口さん)、リュウカ(中井友望さん)との時間を懐かしむが、複雑な想いを胸に秘めているようで……。

 かつて、大切な約束を交わしたヨウジとサイだが、第9話の終盤、サイはヨウジのミュージックビデオ撮影当日の朝に突然、姿を消してしまった。松岡さんは「ヨウジと約束した手前、虚勢は張ってしまうところは理解できましたし、サイ自身、現実と理想の乖離が甚だしくて、自分でもどうしていいのか分からない、という部分にも共感を覚えました」と明かす。

 「だから今回は、一から役を作るというのではなくて、まずはせりふを頭に入れ、あとはこのシーンはどういうシーンで、どういう意味を成しているのかを落とし込んで、現場にのぞみました。相手がどう来るかは、その場になってみないと分からないので、変に構えることもなかったですし、お互い呼応しながら作り上げることができたらなって」

 ◇リアルってなんだろう、というのをとても考えて

 また今回は、より「生っぽさ」を求めて、「型にはめない、枠にはめない」ことを現場では意識したという松岡さん。

 「芝居っぽさ、芝居のセオリーを一旦、忘れてみるというか。リアルってなんだろう、というのをとても考えていたので、会話をするシーンでも、あまりハキハキしゃべらないとか、ギリギリ聞こえるか聞こえないくらいの滑舌だとか、緩慢と思えるくらいテンポも悪く、冗長な間みたいなものも恐れずとったりというのは、新たな挑戦だったと思います」

 ドラマ全体としてはもちろん、7話以降、5人の幼なじみの物語の締めくくりともなる最終話について、松岡さんは「過去に何があったのか、ヨウジとの、確執とまではいきませんが、仲が良かったからこそ起こる、複雑な人間関係が描かれていると思います」と語る。

 「人が交わす『約束』は自由の対義語だと思っていて、何か約束をしてしまったからこその不自由さを、サイは感じているんだと思っています。加えて、自分を生かして仕事をすることの難しさや、成長する、割り切ることで生まれる歯痒さを自分の中でどう解消するのか、多くの方が経験することだと思うので、見て何か感じてもらえたらうれしいです」

 「君としたキスはいつまでも」最終話は、ABCテレビで12月21日深夜0時10分、テレビ朝日で20日深夜2時半に放送。TVerとABEMAでは第1話〜3話と最新話を見逃し配信中。FODとPrime Videoでは全話配信。

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