べらぼう:“準備万端”だったおていさん 死に向かう蔦重のそばで 「結構こたえる時間」橋本愛が思い明かす

大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」最終回の場面カット (C)NHK
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大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」最終回の場面カット (C)NHK

 俳優の横浜流星さん主演のNHK大河ドラマべらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」(総合、日曜午後8時ほか)。12月14日放送の最終回(第48回)「蔦重栄華乃夢噺(つたじゅうえいがのゆめばなし)」では、蔦重(横浜さん)の“最期の日”が描かれたが、死に向かう蔦重のそばで準備万端な妻のてい(橋本愛さん)の姿も印象に残った。

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 ◇「拍子木……聞こえねえんだけど」蔦重の最期

 最終回では、店を再開した蔦重は、写楽絵を出し続け、更にその後、新たに和学の分野に手を広げたり、本屋として精力的に動いていた。しかし、ある日、蔦重は脚気(かっけ)の病に倒れてしまう。

 ていや歌麿(染谷将太さん)たちが心配する中、病をおして政演(古川雄大さん)や重政(橋本淳さん)、南畝(桐谷健太さん)、喜三二(尾美としのりさん)ら仲間とともに作品を作り、書を以って世を耕し続ける。そして蔦重は、ある夜、不思議な夢を見る。

 夢に現れたのは、巫女の姿に化けた九郎助稲荷(くろすけいなり、綾瀬はるかさん)。そこで“死期”とお迎えの合図が“拍子木”であることを告げられた蔦重は、自分が死んだあとの店について、ていに相談する。そして、いよいよお迎えがきそうになると、次から次へと仲間が駆けつけ、南畝の「俺たちは屁だ〜!」との声を合図にみんなで「へ!」コール。蔦重をこの世に呼び戻そうと戯け始める。そして、死の淵から目覚めた蔦重は「拍子木……聞こえねえんだけど」とつぶやくと、みんなは思わず「へ?」。そこで“カンカンッ!”と拍子木の音が鳴らされ……と展開した。

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 ◇「戒名」まで用意 何よりも後悔したくないからこその準備万端

 ていは、蔦重亡きあとのことを考え、店の準備はもちろん、すでに「戒名」まで用意していた。てい役の橋本さんは「旦那様を誰よりも誇りに思っていて、誰よりも感謝しているからこそ、いなくなってしまうのが耐えられないほどの悲しみの底にいるのに、準備は万端っていう、ていさんらしさをすごく感じました」と明かす。

 「(蔦重が)最期まで自分らしく本を作り続けて死ぬんだっていう強い思い。蔦重さんが自分の病状を利用するっていうところがコミカルにも描かれていますが、きっとそれが本音の全てじゃないこともわかっていて。ていさんは生まれながらの本屋の娘なので、誰よりもその矜持(きょうじ)がわかるというか。根っからの商人であり、本や文化を生み続ける、その信念と共に最後まで旦那様を見送るんだ、添い遂げるんだっていう誇りと覚悟みたいのものと、生きることをあきらめないでほしい、やっぱり安静にしててほしいっていう気持ちが同居してて。色んな感情が激しく渦巻きながらも、二人で共に生きてきた時間を振り返りながら静かに向き合っていくっていう、いろいろな意味で満たされた時間でした」

 どこか理路整然としたものの考え方にブレはなく、生真面目なていの人柄がにじみ出ていたシーン。そして、ていは蔦重に「日ノ本一の……べらぼうにございました……」と涙ながらに告げた。

 「どうしようもなく生きてほしいと願い続けながら、死に向かう旦那様のために準備をするっていうのは、結構こたえる時間だったと思います。でも、責任を全うし、彼の不安を払拭したい、そして何よりも後悔したくないからこその準備万端でもあったのかなと思います。最後に笑って、気持ちや想(おも)いを全て伝えようという気持ちでした」

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