良いこと悪いこと
最終話 真犯人、だーれだ?
12月20日(土)放送分
ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組を放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、12月21日午後10時半から日本テレビ系で放送されるオムニバスドラマ「ノンレムの窓 2025・冬」を紹介する。
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芸人としてだけでなく、数々のドラマ・映画の脚本を執筆して向田邦子賞やギャラクシー賞を受賞、ついにはNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「巡るスワン」の脚本を務めることも決まったバカリズムさん。本作はそんなバカリズムさんが原案や脚本を務めた“新感覚SFショートショート”ドラマで、2022年4月に第1弾が放送されて以来、実に今回第8弾となる人気シリーズだ。
今回は、バカリズムさん脚本、山本耕史さん主演の「グラデーション」と、畑雅文さん脚本、西野七瀬さん、浅利陽介さん主演の「トイレットペーパーレース」の2本が放送される。
「グラデーション」は、立てこもり犯の人質となった山本さん演じる上野ら3人の驚きの脱出ミッションを描く。「グラデーション」という一つのワードから広がる世界と、コミカルな中にも奇妙な緊張感が張り詰める独特の雰囲気は、バカリズムさんならでは。さらに「ノンレム」シリーズらしいワンシチュエーションの佳作となっている。
もう1本の「トイレットペーパーレース」は、トイレットペーパーの交換をめぐり、西野さん演じる妻と、浅利さん演じる夫が頭脳戦を繰り広げるコメディーだ。まったく苦ではないと思っているのに、いざ自分が当たるとモヤっとしてしまう詰め替え、交換といった作業。そんな“トイレットペーパーレース”がエスカレートしていくさまは、「んなアホな」と思いつつも、ちょっと身につまされる人も多いのでは。
もう第8弾となった「ノンレム」シリーズ。“バカリズムワールド”でもありながら、もはや“ノンレムワールド”と言ってもよい唯一無二の作風が育ったといえるだろう。朝ドラの脚本という大仕事が控えるバカリズムさんだが、ぜひ肩のこらないノンレムワールドも継続していただきたいと願っている。(MANTAN/立山夏行)
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