風、薫る:小日向の“正体”は詐欺師! だまされた直美はどうする? 第18回を視聴者の「注目度」データで振り返る

連続テレビ小説「風、薫る」のロゴ (C)NHK
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連続テレビ小説「風、薫る」のロゴ (C)NHK

 俳優の見上愛さんと上坂樹里さんがダブル主演を務めるNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「風、薫る」(総合、月~土曜午前8時など)の第18回(4月22日放送)で、視聴者を最も引き付けた場面はどこだったのだろうか? テレビの前の視聴者のうち画面にクギヅケになっていた人の割合を示す「注目度」(REVISIO社調べ、関東地区、速報値)の1分ごとの推移を調べたところ、ピークは午前8時12分の69.5%だった。

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 「風、薫る」は、大関和(おおぜき・ちか)と鈴木雅(すずき・まさ)という2人のトレインドナース(明治時代に正規に訓練された看護師)をモチーフに、同じ看護婦養成所を卒業した2人が、患者や医師たちとの向き合い方に悩み、ぶつかり合いながらも成長し、やがては“最強のバディー”になっていく姿を描く。見上さんが一ノ瀬りん、上坂さんが大家直美を演じる。

 ◇悩むりんはシマケンに相談

 第18回は、トレインドナースの誘いについて悩むりん(見上さん)が偶然、シマケン(佐野晶哉さん)に出会い、相談に乗ってもらう。シマケンは自分の過去の体験を話し、りんの本当の気持ちを問いかける。一方の直美は、小日向(藤原季節さん)の別の姿を目撃してしまい、小日向を問い詰める。少し気持ちが整理できたりんが帰宅すると、大きな事件が起きていた。

 テレビの前の視聴者のうち、画面を注視していた人の割合を示す「注目度」は、前日の第17回とほぼ同様の大きな“山”を一度作るグラフに。ピーク時の最高値は第17回と違い、70%台にはわずかに届かなかった。

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 ◇小日向は詐欺師! 問い詰めるが、逆にやりこめられる

 第18回のピークとなった午前8時12分(69.5%)は、小日向を問い詰めるが、反論され、直美が自身の愚かさを思い知らされる場面。

 直美は小日向が見知らぬ女性と腕を絡めて親しげに話している姿を目撃。「今日はお休みですか?」と声をかけた直美と小日向は場所を変え、話すことになる。このあたりの午前8時8分台は注目度が64.9%。続いて小日向の意外な“正体”が明らかになる午前8時9分や10分は、注目度が上昇するかと思いきや、61~62%台に低下する。

 小日向は実は詐欺師。直美がうそをついていることを見抜いていて、「分かるんだよ。詐欺師だから下手なうそは」と開き直る。鹿鳴館に入るために直美を利用したと明かす小日向に直美は怒りをあらわにするが、小日向は「警察呼ぶなら、俺もあんたのこと話すよ。俺は慣れてるから構わねぇ。親はガキのころ死んで困る奴もいねぇ」と返す。

 直美は「あんたみたいなクズのせいで、親のいない子が石投げられんのよ! 見下されんのよ!」と激怒。それを聞いた小日向は「直美さんも親いないの?」と問いかけ、「それで鹿鳴館のメイドに……頑張ったね」とたたえる。

 この後の午前8時11分台からようやく少し注目度が上昇し、66.0%に。小日向が自分の本当の名前は「寛太」だと教え、直美の本名を尋ねるあたりからだ。教会の前に捨てられた直美は自分の本当の名前も親の顔も知らない。寛太は「せっかく鹿鳴館に潜り込んだんだ。次はどっかの華族の坊ちゃんでもつかまえな」と言い残し去っていく。

 ◇ピークは直美が自身の愚かさに思い知らされる場面

 ピークの午前8時12分台(69.5%)はここから。1人残された直美は「ハッ、ハッ」と声を上げ、涙を流す。時に首をかしげながら。海軍中尉と結婚できると浮かれていたが、実は詐欺師の手の上で転がされていただけ。頑張って生きてきたつもりだったが、簡単に騙され、情けなかったのだろう。また、うそをついて鹿鳴館にもぐりこんだ自分がやっていたことは、詐欺師の寛太(小日向)とどこが違うのだろう? 恐らくそんなことを考えていたのではないだろうか。「はああ」と大きくため息をつくと、小日向に買ってもらった髪飾りを外し、真っ二つに折る。自分自身の愚かさが許せない思いだったに違いない。セリフはない。直美の表情の変化だけで見せるシーンが約40秒続いたが、視聴者は集中して見ていたことが数字からうかがえる。

 午前8時13分はやや下がるものの、注目度は68.6%と比較的高い。直美は鹿鳴館に向かい、捨松(多部未華子さん)に「旗本の娘ではありません」とうそをついていたことを打ち明ける。おおよそ承知していた捨松は「それは今さらですわ」と返すが、直美は「それでも、自分から打ち明けなければ、詐欺師と同じになってしまうので」と言い、「辞めさせてください」と願い出る。

 「どうして?」と尋ねる捨松に、直美が涙ながらに語る言葉に小日向との対話で気づいたことが詰まっている。「どれだけ着飾って自分を偽っても、所詮私は他の人にはなれないって痛いほどわかったんです」

 この物語で、直美の大きな転機となる場面なのだろう。直美が少しずつ、だが確実に変身していく姿に視聴者も視線がクギヅケになったのがピークの場面だった。

 活用したデータは、関東の2000世帯、関西の600世帯で番組やCMの視聴状況を調査しているREVISIO社が公表している独自指標の「注目度」(関東地区、速報値)。人体認識センサーを搭載した専用機器でテレビ画面に視線を向けているかを常に計測し、テレビの前にいる人のうち、番組を注視していた人の割合を算出している。(文・佐々本浩材/MANTAN)

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