ラノベ質問状:「伝説の勇者の伝説」 残酷な運命を背負った3人 温かい絆と戦いの物語

鏡貴也さん作、とよた瑣織さんイラストのライトノベル「伝説の勇者の伝説」8巻の表紙
1 / 1
鏡貴也さん作、とよた瑣織さんイラストのライトノベル「伝説の勇者の伝説」8巻の表紙

 話題のライトノベルの魅力を担当編集部が語る「ラノベ質問状」。今回は、7月からテレビ東京でアニメが放送されるライトノベル「伝説の勇者の伝説」(鏡貴也著、とよた瑣織画)です。富士見書房のファンタジア文庫編集部・奥村勝也さんに話を聞きました。

あなたにオススメ

 −−この作品の魅力は?

 「伝説の勇者の伝説」につけられているシリーズキャッチは、「アンチ・ヒロイック・サーガ」。これには二つの意味が込められています。一つは、口癖が「昼寝したい」「めんどくさい」で髪の毛はぼさぼさ、やる気のかけらも見られない主人公のライナ。このまったくカッコ良くない「アンチ・ヒーロー」の物語という意味。もう一つは、これまでにあった英雄が主人公のファンタジーもの王道ライトノベルをブチ壊す、新しく荒々しい衝動を持った「アンチ」ヒロイック・サーガという意味です。

 ライナと、ダンゴ好きの美少女剣士のフェリス、そして妾腹(しょうふく)の王子ながら革命を起こした英雄王のシオン。この3人がストーリーの中心となります。彼らに共通するのは、「残酷な運命」を背負っていることと、その運命にあらがい、従わず、もがき続けていること。3人が結ぶ、ちょっとおかしくて温かい絆(きずな)と厳しくつらい運命との戦いが、「伝説の勇者の伝説」の読みどころです。

 −−作品が生まれたきっかけは?

 ライトノベル総合誌「ドラゴンマガジン」(富士見書房)では、かつて、雑誌での連載権を読者投票によって決める「龍皇杯」という人気イベントがありました。「伝説の勇者の伝説」は、01年に開催された「第4回龍皇杯」でトップの投票数を獲得し、シリーズをスタートさせています。以降、ドラゴンマガジン連載の短編と、文庫書き下ろしの長編という二つの車輪を回しながら、シリーズが続いてきました。

 −−作者とイラストレーターはどんな方でしょうか?

 著者の鏡貴也さんは、とてもとてもとてもエネルギッシュな方です! 作中のライナやシオンと同様に、1週間ぐらい寝なくても原稿書いてるんじゃないかと思うぐらいに、エネルギーに満ちあふれています。イラストレーターのとよた瑣織さん(最近女の子を無事ご出産されたと聞いております。おめでとうございます!)は、鏡さんとは好対照で、おっとりした優しい方……と見せかけて、鏡さんと同じぐらいにパワフルです! 鏡さんがガリガリ原稿を上げれば、とよたさんも負けじとイラストをバリバリと描き上げられます。お二人がこれでもかこれでもかと「伝説の勇者の伝説」に熱をぶつけられるので、担当編集は振り落とされないよう、必死です。鏡さんととよたさんの作品へのあふれんばかりの情熱と愛情を、読者の皆さんにも感じ取っていただきたいですね。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 「伝説の勇者の伝説」は、7月からついに、テレビアニメの放送が始まります! 先月からはウェブラジオ「伝説の勇者の伝説のラジオ」もハイテンションでスタートしており、お祭り状態で盛り上がっていますよ!! お祭り参加希望の方で原作未読のあなたは、「伝説の勇者の伝説1 昼寝王国の野望」からどうぞ。小説を読めば、アニメもラジオも千倍楽しめます(笑い)。

 文庫本編は、いよいよクライマックスへ向けた怒濤(どとう)の展開となっています。ライナとフェリス、そしてシオンが、それぞれの運命に打ち勝ち、一緒に笑って、穏やかに昼寝できる幸せな時間は来るのか、シリーズの今後にご期待ください。

富士見書房 文芸グループ ファンタジア文庫編集部 担当 奥村勝也

大伝説の勇者の伝説(続編) 鏡貴也著 とよた瑣織画 富士見書房 1~7巻発売中(6月19日に8巻発売) 

ブック 最新記事