ラノベ質問状:「飛空士」シリーズ 魅力は「恋と空戦」 読者の反響で続編

犬村小六さん作、森沢晴行さんイラストのライトノベル「とある飛空士への恋歌」(小学館)3巻の表紙
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犬村小六さん作、森沢晴行さんイラストのライトノベル「とある飛空士への恋歌」(小学館)3巻の表紙

 話題のライトノベルの魅力を担当編集者が語る「ラノベ質問状」。今回は、若き飛空士たちの物語を描いた「とある飛空士への追憶」と「とある飛空士への恋歌」(犬村小六著、森沢晴行画)です。小学館のガガガ文庫編集部、具志堅勲さんに話を聞きました。

ウナギノボリ

 −−この作品の魅力は?

 世界観を共有する物語「とある飛空士への追憶」と「とある飛空士への恋歌」(3巻まで/以下続刊)を総称して「飛空士シリーズ」と呼んでいます。魅力はズバリ「恋と空戦」です。「追憶」は、純粋なシャルルとファナの身分違いの恋に心が揺さぶられます! そして終盤、ページをめくるのが苦しくなるほど切ない気持ちに! 「恋歌」は、学園もののキャラ配置が非常にうまく生きています。若き飛空士たちの日常にドキドキしていたら、3巻でアッと驚く展開が待っています! ぜひ最後までお付き合いください!

 −−作品が生まれたきっかけは?

 「レヴィアタンの恋人」の出版準備を進めている際に、真逆となる「素直で、さわやかで、奇麗な」話を書いている、というお話は聞いていました。その後機会をいただき、興味津々で拝読したところ、あまりに王道な物語のため悩みました。しかし、部内で作品内容を評価する声も高く、評価は読者に委ねる形での刊行となりました。刊行後の反響が非常に大きく、「飛空士」と同様の世界観での続編シリーズの企画をお願いしまして、それが「恋歌」となっています。

 −−作者とイラストレーターはどんな方でしょうか?

 犬村小六先生は、強い信念を持って自作に対峙(たいじ)されている方です。普段は、気さくで面白いお兄さん、といった感じなのですが、こと作品のことになると、突っ走っていってなかなか帰ってきてくれません(笑い)。しかし、苦労人であるだけに、第三者の意見は常に大事にされているように思えます。イラストレーターの森沢晴行先生は、サイトや同人誌などで、以前から作品を拝見していました。女の子がかわいい上に、背景や小物など、世界観を意識して絵を描かれていたことが、依頼の決め手となりました。

 −−今後の展開、読者へ一言お願いします。

 「追憶」は「ゲッサン」(月刊少年サンデー)にてコミカライズが連載中、コミックスは現在2巻まで発売されています! アニメ映画化も決定し、今後さらに躍進する作品です! ぜひご期待ください!

 「恋歌」は、8月に最新の第4巻が刊行されます。3巻でついに空戦が勃発(ぼっぱつ)して物語がクライマックスへ突入する中、主人公のカルエルが、ヒロインのクレアの正体に気付く衝撃の巻となります! こちらも期待してお待ちください!

 「飛空士」シリーズは、読者の皆さんの応援で、ここまで大きくなれた作品です。感謝申し上げるとともに、引き続きのご声援よろしくお願いします。

小学館 ガガガ文庫編集部 具志堅勲

◇連載情報など

とある飛空士への恋歌 犬村小六著、森沢晴行画 小学館 1~3巻(8月に4巻発売予定)

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