パワフルな歌声と人間味あふれるキャラクターで人気を誇るジャズシンガー、綾戸智恵さん（52）と日本を代表するビッグバンド「原信夫とシャープス＆フラッツ」との夢の共演が実現した。6月12日に東京国際フォーラム・ホールＡ（東京都千代田区）で開催された一夜限りのジョイントコンサート「綾戸智恵meets 原信夫とシャープス＆フラッツ～MY WAY～」の模様をＷＯＷＯＷが7日に独占放送する。

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　きっかけは4月に発売された綾戸さんの最新アルバム「MY WAY」だった。原さんを敬愛する綾戸さんが思いを伝え、それに応えて生まれたものだ。この日に演奏されたのはアルバムからの楽曲を中心とするジャズのスタンダードなどで、それらが共演によってモダンで華やかに彩られたのだ。

　「なんてゴージャス！」と綾戸さん自身が感激の面持ちで語ったように、ソウルフルでエネルギッシュな綾戸さんの歌声は、ビッグバンドの演奏では普段のピアノ弾き語りとはひと味違った魅力を放つ。綾戸さんの代表曲「Tennessee Waltz（邦題：テネシー・ワルツ）」やレイ・チャールズさんの「I Can't Stop Loving You（邦題：愛さずにはいられない）」などもよりドラマチックに響き、とりわけ「Swanee（スワニー）」はミュージカル映画の一場面を思わせる迫力で会場を魅了した。シャープス＆フラッツのインストも圧巻だ。「Take The A Train（Ａ列車で行こう）」など、総勢17人で繰り出されるサウンドは高揚感にあふれ、聴く者を幸せな気分にさせてくれる。

　それぞれの楽曲について、エピソードを交えて語られる綾戸さんのトークも見事。爆笑話はもちろん、人生経験を重ねた飾らない語り口が胸を熱くさせる。希代のエンターテイナー、サミー・デイビス・ジュニアさんになぞらえて、原さんが綾戸さんを「女サミー」と評したのも納得だ。

　「いつかこの曲を歌いたいと思っていましたが、この歌の世界にいざなってくれたのが原ミュージック。原ミュージックは光り続けます」と語り、「My Way（マイ・ウェイ）」を感動的に歌い上げた綾戸さん。屈指の実力派シンガーと“ミスター・ジャズ”のコラボはまさに、圧巻のステージだった。7日午後7時半からＷＯＷＯＷでハイビジョン放送。（毎日新聞デジタル）