江口洋介:光市母子殺害事件がドラマ化、事件追う記者役で主演 WOWOWで9月放送

「なぜ君は絶望と闘えたのか」の一場面=WOWOW提供
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「なぜ君は絶望と闘えたのか」の一場面=WOWOW提供

 99年に起きた光市母子殺害事件を追った記者、門田隆将さんの著書「なぜ君は絶望と闘えたのか 本村洋の3300日」(新潮社)を基にしたドラマが、9月にWOWOWで放送されることが5日、明らかになった。主演の記者役を俳優の江口洋介さん(42)が演じる。

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 ドラマは、加害者に手厚く、被害者遺族をないがしろにする少年法の矛盾に立ち向かった、悩めるジャーナリストと若き被害者遺族の毅然(きぜん)とした生き方と真の友情を力強く描く。監督(演出)の石橋冠さんは、斬新かつ力量もある演出で07年の「点と線」、09年の「刑事一代」(ともにテレビ朝日系)などの名作ドラマを手掛けた。脚本は映画「ホワイトアウト」(00年)や「亡国のイージス」(05年)の長谷川康夫さんと「刑事一代」や「アイシテル−海容−」(09年)の吉本昌弘さんが担当した。主演の江口さんは今回、WOWOW初登場。その他、眞島秀和さん、ミムラさん、木村多江さん、小澤征悦さん、井川遥さんらが出演する。

 99年のうだるような夏の午後、北九州の薄暗い喫茶店で、まだ23歳のその青年・町田道彦(眞島さん)と週刊誌記者・北川慎一(江口さん)は出会った。「僕が……僕が、この手で彼を殺します」。そう力強く言い放ったのは、無残にも18歳の少年に最愛の妻子を殺され、突然被害者遺族となり、絶望のふちに沈んだ町田だった。その言葉に北川は戸惑いを隠せない。妻子を殺された深い悲しみの中、何度となく司法の厚い壁にはね返され、なおも挑み続ける町田。しかしそれは、決して孤独な闘いではなかった。絶望と闘う青年の陰には、彼を励まし、支えた人たちがいた。その中でも大きな支えとなったのは、町田を取材対象として追った1人のジャーナリスト、北川だった。貪欲(どんよく)に事件を追い、彼は皮肉にも家族を失ったこの若き青年から、失った人間の本質を教わっていく……。

 ドラマは、社会に一石を投じる骨太な人間賛歌ともいえる本格派ヒューマンストーリーに仕上げるという。ドラマWスペシャル「なぜ君は絶望と闘えたのか」は9月25日午後9時に前編、翌26日午後9時に後編を放送予定。(毎日新聞デジタル)

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