アンジェリーナ・ジョリーさん主演のサスペンス・アクション「ソルト」(フィリップ・ノイス監督)が31日から全国で公開される。ロシアのスパイ容疑をかけられたCIA分析官イヴリン・ソルトが、自身の身の潔白を証明しようと奮闘するスリリングなスパイ映画だ。当初、トム・クルーズさんの主演映画として企画されたが、彼に代わってジョリーさんが登板。それによって主人公の名も男性名エドウィンから女性名イヴリンに変更されたという裏話がある。
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映画を見て「翻弄(ほんろう)された」。これが率直な感想だ。なぜなら、ソルトの正体と彼女の行動の意図をある程度予測はしていても、それがことごとく覆されるからだ。
アンジーの雰囲気がいつもと違うことも、ソルトの正体を分かりづらくさせている。過去にアンジーが演じた「トゥームレイダー」(01年)や「Mr.&Mrs.スミス」(05年)、はたまた「ウォンテッド」(08年)でのヒロインがキレのいいアクションをみせたのとは異なり、ソルトは完全な戦闘モードには入っていない。もちろん今回のアンジーも、ハイウエーを走る車の上に乗っかったり、クラヴ・マガという格闘技で戦ったりと、アクションシーンはどれもカッコいいのだが、行動の端々に“ためらい”がうかがえ、必ずしもスマートではない。それが愛のせいだとしばらくしたら分かるのだが、ともかく今作は、アンジーが出演した過去のアクション映画では目にすることのなかった、心の内がにじみ出た演技を見ることができる。
「チェンジリング」(08年)で子供をすり替えられた母親を、「マイティ・ハート/愛と絆」(07年)では夫を誘拐されたジャーナリストを演じていた。そうした経験が、このソルトという役には生かされているのかもしれない。最近、ロシア人美人スパイの存在が世界のマスコミをにぎわせた。その点では時宜を得た作品といえる。
メガホンをとったのは、ジョリーとは「ボーン・コレクター」(99年)以来2度目のタッグとなる豪州生まれのノイス監督。彼の父親がオーストラリアの組織で働くスパイだったという事実がまた、興味をかきたてる。31日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開される。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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