戦場カメラマンの渡部陽一さんが5日、マット・デイモンさん主演のアクション映画「グリーン・ゾーン」(ポール・グリーングラス監督)のブルーレイディスク(BD)・DVDセット発売記念特別試写会で、テレビプロデューサーでタレントのデーブ・スペクターさんとトークショーを行った。イベント後の会見で渡部さんは「(囲み取材は)生まれて初めてです。普段ぼくは撮る側の立場ですので、撮られる側の気持ちというのが、だんだん分かってきました」と話し、どんな気持ちかと聞かれ「もろ刃の剣……」と答え、笑いを誘った。
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「グリーン・ゾーン」は、「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」で知られるグリーングラス監督とデイモンさんが3度目のタッグを組んだ作品で、米ワシントン・ポスト紙の元バグダッド支局長ラジブ・チャンドラセカランによるノンフィクションが原案に製作された。「グリーン・ゾーン」とは、イラクの首都バグダッドの中心部にある、約10平方キロの米軍管理区域のことで、03年のイラク戦争開戦直後を舞台に、バグダッド市内のどこかにあるだろう大量破壊兵器を見つけ出すという密命を受けた、デイモンさん演じるロイ・ミラー米陸軍上級准尉が、その情報の裏にある“真実”を暴こうと奔走する姿を描くアクション・エンターテインメント。
バラエティー番組に引っ張りだこの渡部さんは「いやあ、衝撃ですねえ。(街中でも)声はかけられるようになってきました。『戦場カメラマンが歩いてる』と。よく分からない日常が続いてるんです。ただ、バスとかに乗っていると、乗客の方々がものまねをし始めるんですよ。みんなが同じ渡部陽一ごっこを始めて、非常に動揺します」と明かすと取材陣も大爆笑。スペクターさんも「初めてお会いしたんですけど、魅了されました。声もいいですねえ」と絶賛していた。
イラク戦争では日本人で初めて米軍の従軍取材を経験したという渡部さんは「主人公の動き方や装備、攻撃対象への近づき方、現場でぼくが兵士とともに生活して見てきたものと、ほぼ重なっているんですね。非常にバグダッドそのものを、明確に表している作品だと感じました」と戦場カメラマンならではの感想を述べると、スペクターさんも「イラク戦争を描いた映画はいろいろあるんですけど、この映画は一番リアリティーがあるんじゃないかと思う。ストーリーもいい」と絶賛していた。
イベントには、同作を応援するアイドルユニット「GRZ4.8」も迷彩柄の衣装で登場。会場の雰囲気を盛り上げた。ブルーレイ&DVDセットは、2枚組み3990円で6日に発売される予定。(毎日新聞デジタル)
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