生田斗真さん(26)が光源氏役で主演する映画「源氏物語」(鶴橋康夫監督)の製作報告会が23日、藤原道長の邸宅「土御門邸(つちみかどてい)」を再現しようと滋賀県の琵琶湖畔に総工費2億円をかけて設営されたオープンセットであった。豪華共演陣とともに季節はずれの桜の宴のセットに役衣装をまとい登場した生田さんは「ラブシーンが次々と出てくる撮影なので、緊張して眠れない日もありました」と撮影を振り返った。
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原作は、脚本も担当する高山由紀子さんの「源氏物語 悲しみの皇子」(角川書店)。「物語の中の光源氏の世界」と「物語を書いた紫式部の世界」が入り交じり、その間を陰陽師(おんみょうじ)の安倍晴明が行き来し、夢と現実が交錯する奇想天外な「スペクタクル源氏物語絵巻」を、映画「愛の流刑地」(06年)の鶴橋康夫監督が描く。紫式部役に中谷美紀さん、安倍晴明役に窪塚洋介さん、藤原道長役に東山紀之さんが出演する。
生田さんは「光源氏はこれまで数々の俳優さんが演じてこられたので、プレッシャーがありつつも、楽しみながら、監督のもと一生懸命やっています。このセットもゼロから作られたもの。美術さんが寝ずに働いて作ってくださっていることも知っているので、とてもありがたく思っています。東山さんと現場でお会いするのは今日が初めてですが、ひげのある東山さんは新鮮です」とコメントした。
中谷さんは「プレッシャーが強かったのですが、鶴橋監督は豪快で、現場はとても温かいです。衣装については、実はご覧になるよりもとても重いです。ただ、平安時代の女性たちはこの衣装の中に、自分自身の本当の心、秘めた思い、たけだけしい激情などを隠したのではないかと思います。これまでの撮影に関しては、東山さん演じる道長との男女の睦事(むつみごと)のシーンの際、監督より平安時代の男女のいとなみについて詳しく説明を受けたことが印象的でした」とコメントした。
この日の撮影は強風と小雨に見舞われたが、終盤には雅楽の音色と美を競うかのように、邸宅上空を虹が渡るという一幕も。このシーンにはエキストラを含む総勢123人が参加し、圧巻の撮影現場となった。
撮影は年内クランクアップ予定で、劇場公開は11年12月の予定。(毎日新聞デジタル)
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