新参者:最大の人気作「赤い指」が新春SPに 阿部寛の加賀恭一郎再び メイサ、溝端、山崎努も

 人気作家・東野圭吾さんの原作で、4~6月にTBS系で連続ドラマが放送されヒットした「新参者」のエピソードゼロともいえる「赤い指」が11年1月3日に2時間半のスペシャルドラマ「赤い指~『新参者』加賀恭一郎再び!」として放送されることが1日、明らかになった。主人公・加賀恭一郎役の阿部寛さんをはじめ、黒木メイサさん、溝端淳平さんら主要キャストが「新参者」と同じ役を演じるほか、「新参者」には出てこない加賀の父親役を山崎努さんが演じる。

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 06年に出版された原作の小説「赤い指」(講談社)は、加賀恭一郎シリーズの「新参者」の一つ前の作品で、主人公の加賀が日本橋署に異動する前、練馬署の刑事だったころの物語。累計発行部数は135万部を超え、シリーズの中でも圧倒的な人気を誇っている。

 4~6月にTBS系毎週日曜午後9時の「日曜劇場」枠で放送された「新参者」は、初回視聴率21%、全10回の平均視聴率15.2%を記録。ドラマの舞台となった東京・日本橋の人形町は数々のメディアに取り上げられて話題を呼んだ。毎回、豪華ゲストが出演、また、全10話をかけて1人の犯人に迫っていき、事件にかかわる人々の心の闇をひもといていくという、これまでにないタイプの刑事ドラマが反響を呼び、放送終了後も続編を望む声がTBSに数多く寄せられていた。

 その声に応える形で放送される「赤い指」は、一組の夫婦とその息子、夫の老母という平凡な家族構成の前原家に驚愕(きょうがく)の事件が起こるところから始まる。平凡な会社員だが家族の悲劇を一身に背負い込み、加賀と心理戦を繰り広げる前原昭夫役は杉本哲太さん、夫と協力して加賀との心理戦に挑む前原八重子役には西田尚美さん、昭夫の妹で、母である前原政恵を献身的に介護し、今回の事件の重要な手がかりを持つ田島春美役に富田靖子さん。昭夫と春美の母で、今回前原家に起こった悲劇の最重要人物になる前原政恵役を佐々木すみ江さんが演じる。前原家が本当の家族を取り戻すために加賀が鋭い洞察力で複雑に絡み合う家族の糸をときほぐし、事件が解明されたときに判明する衝撃のラストとは……。

 山崎さんが演じる加賀の父は、引退した元刑事で「家族」をテーマにした今回のドラマの重要なキーマンとなる。また、黒木さんが演じる女性記者・青山亜美と加賀の出会いや、「新参者」で溝端さんが演じた加賀のいとこ・松宮脩平がなぜ刑事になったのか、加賀と松宮がなぜすれ違うのかなど、「新参者」で明かされることのなかったそれぞれの前日譚(ぜんじつたん)が今回のSPドラマにはちりばめられるという。

 主演の阿部さんは「赤い指」について、「実は僕が加賀シリーズの中で一番好きな作品。1軒の家の中での会話の描写が鋭く、家族のあり方について、痛いほど考えさせられる」と、意欲的に撮影に臨んでいるという。黒木さんは「『新参者』に続き、『赤い指』で再び阿部さんと共演させていただくことを、うれしく思います。 『赤い指』では原作に出ていない役ですが、加賀さんの推理をお正月に家族そろって見ていただけたらと思います」とアピール。溝端さんは出演について「心から光栄に思います。特に松宮という役はもともと『赤い指』の登場人物なので、加賀との関係性や2人の確執にスポットライトを当てて掘り下げられるのがうれしくてしょうがないです。原作はメッセージ性が強く、とても繊細なテーマの作品なので、そのイメージを壊さないように頑張りたいと思っています」と喜びと意気込みを語った。

 伊與田英徳プロデューサーは、「この人しかいないという人にオファーできた」と山崎さんを加賀の父親役に起用できたことを喜び、ドラマ化について「『新参者』の(連続)ドラマ化が決定したときから、ぜひとも『赤い指』もドラマ化できればと考えていたので、大変うれしく思います。これも、『新参者』を応援してくださったみなさんのお陰だと思います」と喜び、「記念すべき11年のTBS初ドラマとして、みなさんへのお年玉になるようなドラマにしたい。骨太なキャラクターと人間の内面をえぐる内容で、ここにTBSありという作品になっていると思います」と自信をのぞかせている。放送は、TBS系で11年1月3日午後9時から2時間半スペシャルの予定。(毎日新聞デジタル)

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