もしドラ:AKB48仲谷明香の朗読版 オーディオブック・オブ・ザ・イヤーに

オーディオブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた「もしドラ」を朗読したAKB48の仲谷明香さん
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オーディオブック・オブ・ザ・イヤーに選ばれた「もしドラ」を朗読したAKB48の仲谷明香さん

 アイドルグループ「AKB48」の仲谷明香(さやか)さんが朗読したビジネス書「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(岩崎夏海著、ダイヤモンド社)が2日、「オーディオブック・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。

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 「オーディオブック・オブ・ザ・イヤー」は、オーディオブック配信サービスの「オトバンク」が主催する「第1回オーディオブックアワード2010」で選ばれた。6000以上の配信タイトルの中から、ユーザーの投票で今年最も人気のあったオーディオブックを表彰するもの。

 原作は、都立高校の弱小野球部のマネジャーになった川島みなみが、入院した親友の宮田夕紀のために甲子園出場を誓い、オーストリアの社会学者ピーター・ドラッカーの経営書「マネジメント」で組織経営を学び、問題点を洗い出して人事改革や練習の改善を進め、チームが急激に成長する。……というストーリー。AKB48の峯岸みなみさんをモチーフにしたことも話題となり、「もしドラ」の略称で呼ばれ、09年12月の発売以来ロングセールスを続け、デジタル書籍を含む計181万部を発行。アニメ化やマンガ化も決定している。

 オーディオブック版は、「19世紀の小説の読み聞かせ文化を念頭に、元々朗読されることを前提として書いた」という岩崎さんが、仲谷さんの起用や演出にもかかわった。声優志望という仲谷さんは、計6時間40分、すべての登場人物を演じ分けた。授賞式で中谷さんは本番さながらに感情を込めた朗読を披露し、「私が読んだ作品がこんなふうに売れ続けているのはうれしい」と受賞の喜びを語った。

 ほかに、ビジネス書部門は、ソフトバンク・孫正義社長の半生を描いた井上篤夫さんの「志高く 孫正義正伝 完全版」(実業之日本)、文芸書部門は奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」(文芸春秋)が大賞を受賞。白取春彦さんが編訳した「超訳 ニーチェの言葉」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)が審査員特別賞に選ばれた。

 「池袋ウエストゲートパーク」(文芸春秋)で優秀作品賞を受賞した石田衣良さんは「きちんと効果音が入っていたり、声優さんが頑張ってくれて、とてもいい作品になっていました。今出版界は元気が無いが、オーディオブックは未来に対する起爆剤になると思う」とビデオメッセージを寄せた。上田渉社長は「オーディオブックには、多忙な人のすきま時間の有効活用や、ゆっくりした時間に楽しむエンターテインメントとしての魅力がある。現在20億~30億円規模の国内市場は、デバイスの変化やコンテンツの数の増加で今後300億円規模に成長するのではないか」と話した。(毎日新聞デジタル)

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