女性4人組ボーカルダンスユニット「SPEED」の上原多香子さん(28)主演の映画「恋谷橋 La Vallee de l’amour」(後藤幸一監督、11年公開予定)がこのほどクランクアップした。老舗温泉旅館に生まれ、デザイナーの夢を抱いて上京したものの帰郷する女性・朋子を演じた上原さんは、「自分自身も夢を追って沖縄から東京に出てきたので朋子に共感する部分はありました」と自身の経験を重ね合わせて演じたことを明かし、「ものすごく大きな緊張とプレッシャーがありましたが、映画と向き合って見えてくるものや感じることを素直に表現しようと思いました」と映画初主演に臨んだ心境を話した。また、上原さんが劇中で披露した和服姿が公開された。
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「名作映画には、必ず心を揺さぶるシナリオがある」をキャッチフレーズに行われた「第1回スーパーシナリオグランプリ」 で、777作品から大賞に選ばれた宮尾卓志さんの「雨の中の初恋 First Love in the Rain」を映画化した。
島田朋子(上原さん)は東京のデザイン事務所で働いていたが、不景気でリストラされてしまい、次の職が見つかるまで田舎へ戻ることにした。実家は、かつて温泉街として栄えた鳥取県の三朝町で、老舗の旅館・大橋を経営している。町に以前のような活気は無く廃れ、大橋も例外ではなかった。なかなか復興がうまくいかない中、朋子やその友人たちは町おこしのイベントを計画するというストーリー。幼なじみの調理師役を水上剣星さんが演じ、中澤裕子さん、土屋アンナさん、川岡大次郎さん、松方弘樹さんらも出演する。
後藤監督は上原さんについて、「上原多香子の演技は、自然体(ナチュラル)を貫いた。朋子を演じるのではなく、朋子の『心』を追い求め、しっかりと『心』を捉えることで、朋子という人間を構築していった。人生の岐路で揺れ動く『心』を丁寧に重ねることで、故郷を愛し、生まれ育った地に足をつけて生きていく魅力的なヒロインをつくり上げた」と絶賛のコメントを寄せている。
ロケ地は町の活性化に意欲的な地域を公募し、鳥取県にある名湯・三朝温泉が選ばれた。撮影は三朝町を中心とした鳥取県内で昨年11~12月に行われ、劇中で実家の老舗温泉旅館となった「旅館大橋」は登録有形文化財として貴重な建物という。上原さんはロケ地となった三朝温泉について「大変な撮影にも関わらず温かく迎えていただき、全面的に協力していただいた三朝のみなさんがいなければできなかった作品だと思います。本当に感謝しています。3週間しか滞在してませんが、三朝は私にとって第二の故郷です」と感謝の気持ちを語っている。(毎日新聞デジタル)
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