日本アカデミー賞:「悩んだときもあった」と涙の妻夫木に深津もらい泣き

「第34回日本アカデミー賞」の最優秀主演女優賞を受賞した深津絵里さん
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「第34回日本アカデミー賞」の最優秀主演女優賞を受賞した深津絵里さん

 「第34回日本アカデミー賞」の最優秀賞が18日、東京都内で開かれた授賞式で発表され、映画「悪人」が主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の男優・女優賞を総なめにした。主演男優賞に輝いた妻夫木聡さん(30)は「この作品は本当に自分が12年間、役者をやってきたなかで全身全霊を尽くした作品。集大成が詰まった作品」と涙ながらに受賞を喜び、主演女優賞を獲得した深津絵里さんはその様子を見て涙ぐんだ。

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 「悪人」は芥川賞作家・吉田修一さんのベストセラー小説を映画化。妻夫木さん演じる殺人犯とその男を愛した女の逃避行を描いた。音楽を担当した久石譲さんが音楽賞に輝き、5冠となった。毎日映画コンクール日本映画大賞など数々の賞を受賞している。

 妻夫木さんは舞台出演のため、授賞式を途中退席し、中継で発表を聞いた。原作を読み熱望して役を得て、企画段階から制作にかかわっており、受賞の喜びを聞かれると絶句。「一時は癖がないと言われて悩んだときもあったけど、自分らしさってなんなのか、自分の中で考えて自分を信じてやってきた集大成が詰まった作品。李監督はじめ、深津さん、スタッフのみなさん、今まで育ててくれた家族のみんなに本当に感謝しています。ありがとうございました」と時折、涙で声を震わせながら語った。同役でブルーリボン賞の主演男優賞なども受賞している。

 殺人犯を愛する同役で第34回モントリオール世界映画祭の最優秀女優賞、報知映画賞の主演女優賞などを受賞している深津さんは「日本でたくさん評価をしていただいたことはうれしい」と喜び、「妻夫木さんと一緒に戦えたことがとても大きな財産になりました。妻夫木さんでなければこの賞はいただけなかった。あとで抱きあって一緒に喜びたい」と笑顔を見せた。助演女優賞を獲得した樹木希林さん(68)は「妻夫木君がいちばんうれしいだろうし、妻夫木君の喜ぶ姿を見るのがうれしい」と言って、妻夫木さんが会場にいないことを残念がった。

 また助演男優賞を受賞した柄本明さん(62)は「本当にしつこい監督でございました。そういう監督の存在を待ち望んでいた僕がいて、本当にありがたかった」と冗談交じりに李相日監督を絶賛。深津さんも自身の受賞について「ぎりぎりのところまで追い込んでくださる監督が、お芝居をしっかり見てくださっていたからこそ、受賞できた」と李監督をたたえ、樹木さんも「(この賞は)監督にどうぞー」とコメントしていた。(毎日新聞デジタル)

 その他の受賞作品、受賞者は以下の通り(敬称略)。

 作品賞=「告白」▽監督賞=中島哲也(告白)▽脚本賞=中島哲也(告白)▽撮影賞=北信康(十三人の刺客)▽照明賞=渡部嘉(十三人の刺客)▽美術賞=林田裕至(十三人の刺客)▽録音賞=中村淳(十三人の刺客)▽編集賞=小池義幸(告白)▽アニメーション作品賞=「借りぐらしのアリエッティ」▽外国作品賞=「アバター」▽話題賞作品部門=「SP野望篇」▽話題賞俳優部門=岡村隆史(てぃだかんかん 海とサンゴと小さな奇跡)

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