89歳で現役マンガ家の水木しげるさんが、10日発売のマンガ誌「ビッグコミック」5月25日号(小学館)でマンガの新連載「ゲゲゲの家計簿」を開始する。水木さんが60年ぶりに見つけた家計簿を基に当時の生活ぶりを回想しながら戦後の世相を描き出すエッセーマンガで、松下奈緒さんと向井理さんが出演し人気を呼んだ昨年のNHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」で描かれた新婚時代の10年前から物語がスタートする。
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見つかった家計簿には、水木さんが紙芝居で画業のキャリアを始めて2年目に当たる1951(昭和26)年から、「少年マガジン」で不定期連載された「墓場鬼太郎」のヒットで人気が徐々に上がり始めた1966(昭和41)年までの水木さん自身の金銭の出し入れが生々しく記入されている。
第1話では、水木さんが独身時代に神戸でペンネームの元になった「水木荘」というアパートを経営しながら、紙芝居を描いていた場面から始まる。絵を描こうとすると大家の仕事が入り、絵の仕事がはかどらない中、アパートの収入や出費などのために家計簿を付け始めた……というエピソードが描かれる。水木さんは「東京での新婚生活も大変だったけれど、独り身とはいえ、この時代もいろいろ大変でした」と下積み時代の苦労を振り返っている。
マンガ以外にも、水木さんの家計簿の舞台裏を明かしたインタビューが掲載されており、家計の苦しい中で故郷・鳥取県境港市の両親に送金したり、同居した弟が会社から借金をして家計を支えるなどのエピソードが明かされている。(毎日新聞デジタル)
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