注目映画紹介:「さや侍」 松本人志監督第3弾 “毒気”なく大衆向け 父娘の感動ドラマ

「さや侍」の一場面(C)2011「さや侍」製作委員会
1 / 1
「さや侍」の一場面(C)2011「さや侍」製作委員会

 お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さんによる監督第3作「さや侍」が11日、公開される。今作は、前2作と比較して最も“毒気”がなく、オーソドックスで、大衆受けするのではないかという印象を受けた。松本監督自身が結婚し、子を持つ親となったことが多分に影響しているのだろう。

ウナギノボリ

 刀を捨ててさやのみを持つ侍・野見勘十郎(野見隆明さん)が、脱藩の罪で捕らわれ、殿様(國村隼さん)から、母を亡くして笑うことを忘れた若君(清水柊馬君)を30日以内に笑わせたら無罪、できなければ切腹という「三十日の業」を、言い渡される。だが、奉行所での勘十郎の芸はくだらなく、一人娘のたえ(熊田聖亜ちゃん)にまで叱責される始末。牢(ろう)番の倉之助(板尾創路さん)と平吉(柄本時生さん)は、見かねて勘十郎に芸のアイデアを与えるのだが……というストーリー。

 ふがいない父・勘十郎としっかり者の娘・たえとのやりとりは、まさに漫才のボケとツッコミ。勘十郎役の野見さんは、かつて松本監督が司会を務めたバラエティー番組に出演した一般男性で、そのとき強烈な印象を残し、今回、主役に抜てきされた。劇中、勘十郎が奉行所で見せる芸は、あきれるものばかりだが、ある芸を披露する際にたえが口上を述べたところから、物語は父と娘の感動のドラマになっていく。

 松本監督は、これまで「大日本人」(07年)、「しんぼる」(09年)と手がけ、監督デビュー作「大日本人」がハリウッドでリメークされることが発表されている。丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)

映画 最新記事

MAiDiGiTV 動画