スティーブン・スピルバーグさんが製作、テレビシリーズ「LOST」や「ミッション:インポッシブル3」などで知られるJ.J.エイブラムスさんが脚本と監督を務めた「SUPER 8」が24日に公開された。
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舞台は79年の米国の田舎町。8ミリ映画作りに没頭するジョーたち14歳の少年少女が、たまたま列車事故に遭遇。そこで回し続けたフィルムには信じられないものが映っていた。そしてその後、町では、人間や犬が姿を消し、金属や電線がなくなるという不可解な事件が起こり始める……。
エイブラムス監督の、スピルバーグ作品へのオマージュがたっぷり盛り込まれている。とりわけ「E.T.」に対するオマージュがあちこちに見られ、70年代の映画青年や映画ファンには、これほど郷愁をかきたてられ、また興奮を覚える作品はないだろう。公開まで秘密を貫くという飢餓感をあおる宣伝方法も、「E.T.」と同じだ。
ソニーの「ウォークマン」や、少年たちの通信手段が携帯電話ではなくトランシーバーであるなど小道具にも徹底的にこだわり、当時の“におい”を再現している。今の特殊効果技術を駆使した列車事故のシークエンスは、その迫力に存分に驚かされ、一方の子どもたちが作る8ミリ映画の特殊効果は手作り感いっぱいで、彼らのアイデアには驚くやら感心させられるやら。エンドロールにも、もう一つのお楽しみが用意され、最後までたっぷり楽しめる。
ジョーを演じたジョエル・コートニーさんや、ジョーが思いを寄せるアリス役のエル・ファニングさんら子役たちも、当時の子どもたちの純真無垢(じゅんしんむく)な感じが出ていて申し分ない。彼らが終盤に見せる表情も、当時の映画ファンには感慨深いはずだ。TOHOシネマズ日劇(東京都千代田区)ほか全国で公開。(りんたいこ/毎日新聞デジタル)
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