下町ロケット:直木賞効果で売り上げ5倍増 総合5位に急上昇 オリコン本ランキング

池井戸潤さんの小説「下町ロケット」の表紙
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池井戸潤さんの小説「下町ロケット」の表紙

 28日に発表されたオリコン週間本ランキング(8月1日付)によると、「第145回直木賞」を受賞した池井戸潤さんの小説「下町ロケット」(10年11月発売)が、総合部門で先週の75位から5位へと大きく順位を上げ、初のトップ5入りを果たした。14日に発表された直木賞受賞の効果は絶大で、週間売り上げも先週の4000部から約5倍の2万1000部に急増、「文芸(単行本)部門」では首位を獲得した。

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 「下町ロケット」は、町工場が持つ最先端技術の特許をめぐって繰り広げられる中小企業と大企業の争いを描くサラリーマン小説。宇宙工学研究の道をあきらめ、東京都大田区の実家の製作所を継いだ主人公・佃航平は、突然の取引停止や特許侵害の疑いで訴えられるなど大企業に翻弄され、倒産の危機にひんしていた。そんな折、大型ロケットを製造開発する大企業から特許技術を20億円で買いたいと持ちかけられるが、航平は逆にロケットのエンジン供給を申し出る……というストーリー。

 日本のものづくりを担ってきた町工場が、確かな技術力と情熱を武器に大企業に挑む姿に、「東日本大震災後の中小企業を励ます小説」などと評価された。同作は、三上博史さん主演でドラマ化され、8月にWOWOWで放送が予定されている。(毎日新聞デジタル)

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