胃カメラを発明した日本人研究者の姿を実話を基に描いた作家の吉村昭さんの小説「光る壁画」が、俳優の佐藤隆太さん主演でテレビ朝日系でドラマ化されることが31日、明らかになった。戦後、胃カメラの開発に没頭するいちずな研究者・曽根菊男を演じる佐藤さんは「このドラマから、どんなにつらい体験をしても、決してあきらめず立ち直っていく“日本人の底力”や“家族の温かさ”を感じ取っていただければと思います」とコメントを寄せている。ドラマは、10月1日午後9時放送予定。
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ドラマは、昭和24(1949)年春、戦争の傷痕が残る東京からスタートする。親友の今村治(塚本高史さん)を戦争で亡くし、虚無感にさいなまれていた菊男は、転勤によってオリオンカメラの渋谷の研究所に異動することになる。そこは、研究所とは名ばかりで、数人の研究者と事務員がいるだけだったが、菊男は、外科医の梶哲朗(中村俊介さん)と出会い、梶の“胃の内壁を写すカメラで人々の命を救いたい”という情熱に感化されるようになる。その思いが、ほかの研究者たちにも伝わり、研究者と医師たちは、困難に立ち向かいながら胃カメラの開発に挑む……というストーリー。菊男の妻を女優の加藤あいさん、菊男と研究に打ち込む研究者を俳優の萩原聖人さんが演じ、俳優の大杉漣さん、寺島進さん、歌舞伎俳優の市川亀治郎さん、女優の星野真里さんらも出演する。
田中芳之プロデューサーは、佐藤さんの起用理由について「主人公には“エネルギッシュな情熱”と“困難な時代を生き抜く繊細さ”の両方を表現できる佐藤隆太さんにお願いしました。日本人の力強さを今一度このドラマによって再確認していただきたいと思います」と話し、佐藤さんも「戦後の大変な時期に、ほかでもない日本人が世界で初めて胃カメラを開発したということを知り、とても誇らしい気持ちになりました。真実の物語を演じるのは責任重大、身の引き締まる思いで撮影に臨みました」と作品への熱い思いを語っている。(毎日新聞デジタル)
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