向井理:流ちょうな英語でスピーチ 海外進出に意欲も 「努力することの大切さや思いやりを見て」

日本外国特派員協会で開かれた会見に登場した向井理さん
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日本外国特派員協会で開かれた会見に登場した向井理さん

 俳優の向井理さん(29)が13日、初主演映画「僕たちは世界を変えることができない。But,we wanna build a school in Cambodia.」(深作健太監督)の23日の公開に先立ち、日本外国特派員協会(東京都千代田区)で開かれた会見に出席。向井さんは「この映画は実話に基づく映画で、カンボジアでどう学校を作るかだけでなく努力することの大切さや思いやりをメッセージとして掲げています。今日は楽しんで」と流ちょうな英語でスピーチした。

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 映画は、08年に自費出版された葉田甲太さんの体験記が原作。気軽なイベントサークルに所属し、目的なく大学生活を送っていた主人公の医大生コータが、「150万円の寄付でカンボジアに学校が建つ」という募金のパンフレットを目にして一念発起。同じサークルの仲間を誘い、学校設立のために募金活動を始める……というストーリー。

 会見には近藤正岳プロデューサーも出席。向井さんは、映画に出演して価値観が変わったことを聞かれ、「ボランティアに対する見方。結局自己満足でいいものだと思った」と明かし、「自分が何かすることによって、物質的なものではなく、笑顔という精神的なものが返ってくる。してあげるのではなくキャッチボールだと思う。『やらせていただいてる』と感じた」と力強く話した。

 07年に放送されたドキュメンタリー番組「世界ウルルン滞在記」(TBS系)の企画でカンボジアにホームステイをした向井さん。近藤プロデューサーは、「向井さんのプロフィルに『カンボジアは第二の家族がいる国』と書いてあり、彼でなければやれないと判断した」と向井さんの起用理由を説明。「ベストではなく、オンリーのキャスティング」と絶賛した。一方で、向井さんは「僕が選んだのではなく、この映画に選んでいただき、出ています」と謙虚にコメントした。

 「ハリウッドからのオファーがあったら?」と聞かれると、向井さんは「今のところ、自分の英語が通用すると思っていない」と謙そんしながらも、「世界に目を向けるのは大事なこと。海外と比較することで見えてくるものがあるし、海外に対して興味を持っているのでタイミングが合えば!」と意欲を見せた。

 会場には「向井さんのファン」という海外の記者が出席。会見の最後に、突然感想を求められた向井さんは、使えるマイクがなく、急きょ長いスタンドマイクを使用し、「こういうマイクで話すこともないですし、初めての経験が好きなので、どんどんこういうマイクにも挑戦していきたい」とジョークを飛ばし、会場は笑いに包まれた。

 向井さんは「今の日本を変えたいとか大きいことを言うつもりない。何かが足りない日本に対して、それを補ってくれるような要素がカンボジアにはある」と話し、「映画を見て、今置かれている環境を見つめ直すいい機会になれば。見ていただいて人それぞれの感想を持っていただければ作ったかいがあります」と映画をアピールした。映画は23日から全国でロードショー。(毎日新聞デジタル)

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