俳優の岡田将生さんが19日、東京都内の映画館で開かれた主演映画「アントキノイノチ」(瀬々敬久監督)の初日舞台あいさつに登場。瀬々監督がサプライズで感謝の手紙を披露し、「撮影中に震災が起こって大変だった現場でも、岡田君の笑顔と子どものように無邪気な会話でどんなに和んだことか分かりません。たぶんそこには岡田君の心の温かさがあった」と言葉を詰まらせ涙ぐむと、岡田さんは驚きながら大粒の涙をこぼした。
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「映画に対する思いは本当にうれしかったです。撮影の日々を引っ張ってくれたのは岡田君だと思っています……」と読み上げた瀬々監督の感謝の気持ちに岡田さんは「撮影中は、震災があって、ずっとつらくて、撮影とかしてていいのかなとずっと思っていた」と撮影中の苦悩を明かし、「この映画を通して、命の大切さ、人と人とのつながりを届けられると信じて、この映画をやり遂げました。見終わった皆さんに、僕たちの愛のこもったメッセージが届いていればすごくうれしいです」と涙ながらに、観客に呼びかけた。
出演者からも花束とメッセージが贈られ、松坂桃李さんは「この作品を通して、将生くんと出会えたことを本当にうれしく思っています」と岡田さんを抱きしめ、原田泰造さんは「小学校2年生みたいだっていってごめん。大学生になりました!」と笑顔を見せた。岡田さんとダブル主演の榮倉奈々さんは「岡田君がいてくれて頑張れました」と笑顔で花束を渡して抱き合い、「岡田君の純粋な気持ちがみんなを助けてくれた映画だったんだと実感できました」ともらい泣き。岡田さんは「何だよ~……。こんなことあると思っていなかったから、みんな初日なのに、そっけないなと思ってた。監督も目を合わせてくれないし……。こういうことだったんですね」と泣きながら笑顔がはじけた。
映画は、歌手のさだまさしさんの小説が原作。高校生のときにある事件がきっかけで心を閉ざしてしまった永島杏平(岡田さん)が「遺品整理業」という仕事を通して久保田ゆき(榮倉さん)と出会い、失われた命や残されたものに触れることで、生きる勇気を少しずつ取り戻していく姿を描いている。映画「ヘヴンズストーリー」で第61回ベルリン国際映画祭の国際批評家連盟賞と最優秀アジア映画賞の2冠を獲得した瀬々監督が手がけ、映画「余命1ケ月の花嫁」「Life天国で君に逢えたら」の製作チームが参加。カナダ・モントリオール世界映画祭で「イノベーションアワード」を受賞している。
舞台あいさつでは、一般公募で集めた約1万枚の笑顔の写真「アントキノエガオ」で作られたモザイクアートがお披露目された。モザイクアートは映画公開中、東京都千代田区の映画館「丸の内ピカデリー3」のロビーに展示される。(毎日新聞デジタル)
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